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いつかこの
専門審神者の職を降りて
本丸を作れるのなら、
私だって今ここにいる彼らを顕現したいし会いたい。
でも、そんな事は出来ないんだ…。
刀解を承諾すると、
彼らは笑顔で私の部屋を出て行った。
それから考えたんだ。
彼らが次に顕現された時、
どうしたら幸せになれるのかって。
……何もせず、
刀解をしてしまうのは申し訳ない。
そこで考えたのが、
刀解前に彼らにお守りを渡す事だった。
次に顕現された時、
どの審神者の所へ行くかは分からないけど、
それでも彼らには幸せになって欲しい。
それが私が彼らに、
家族に出来る最後の事だ。
その日からお守りに出来て、
刀解でも壊れない物を考えて作った。
そのお守りには、今後の彼らの幸せを
願って私の霊力を入れたんだ。
時間が足りなくて、
１０個の数珠しか作れなかったのが悔やまれたが、
それを持って
広間に集まっている彼等の元へと向かう。
お守りの話をすると、
私に刀解という辛い話をしてくれた三条組と伊達組、
そして初期刀の歌仙に渡してやって欲しい
という話で纏まった。
歌仙「主の優しさに感謝するよ。
主の事は忘れない、きっとね」
石切「また私と加持祈祷をしましょう」
今剣「あるじさま、ぼくはしあわせものです！
きっと、また会えますよね？」
岩融「がははっ！主よ、笑ってはくれぬか？
俺は主の笑顔が大好きだぞ！」
太鼓「そうそう！主には笑顔が一番似合うって！
きっとまた会えるからさ、笑ってくれよ」
燭台「ずんだ餅、また作ってあげるから。
だから、泣かないで」
大倶「……あんたの気持ちは受け取ったからな」
小狐「そうですね。
主様の気持ちがとても嬉しいです」
鶴丸「また驚かせてやるから、それまで頑張れよ！」
三日「はっはっは。主よ、俺はとても楽しかったぞ。
また主の元に行けるよう、俺も努力しよう」
A「私の所に来ても、
今の記憶は無くなってしまうのに…。
それでも、私は絶対にまた皆を顕現してみせるから、
それまでのお別れ…。またね！」
あの時と違うのは、刀解される時の彼等は、
清々しい澄み切った笑顔だったって事。
所望通り刀解を済ませた私の目に前には、
誰もいない、誰の気配もない部屋と本丸。
全ての別れに、
私の涙は止まらなかった…。
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作者名：まほろ | 作成日時：2020年3月19日 12時
