【刀剣乱舞】ブラック本丸専門審神者壱 (ページ24)

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勝手な話だ。
私の知らない所で決めて、
それを命令として下ろしてくる。

そんな政府が、心底嫌いになりそうだった。

弥生『この世界には、
救われない刀剣男士たちがいる。
それを救えるのはAちゃん、
君しかいないんだよ』

本当に勝手だ…。
何で私が…。何で大好きな本丸を…。

どれだけの時間、
弥生さんと押し問答を繰り返したのか分からない。
だけど、たった一言。それを言われて、
私は決意せざるを得なくなってしまったんだ…。

弥生『君がどうしても拒否すると言うなら、
上は君の本丸を解体し、
強制的にでも
専門審神者になってもらうと言っていた。
私は君の報告書を隅々まで読んでいるし、
君たちの絆が強い事も知ってる。
だからこそ、解体なんてさせたくないんだ。
お願い、この話を受け入れて…』

【解体】それは、
問答無用で本丸を無くすという事だ。

本丸で生活している彼らも、
本丸の建物自体も全て壊すという事…。

あれだけ私を慕ってくれていた彼らがいなくなる。
自分の意思も感情も持っていて、
人と変わらないのに、
政府はそれを壊すと言ったんだ。

そんな事を言われたら、
承諾するしかないじゃない…。

私は泣く泣く首を縦に振り、
その辞令を持って本丸へと戻った。

私を専門審神者にすると辞令が下った理由は、
私の霊力の強さと、彼らとの絆の作り方。
そしてそれが、審神者になって
たった１年で築き上げてしまった事だった。

彼らの為にと頑張ってきたことが、
私と彼らを引き離す結果になってしまったんだ。

今でも思い出す。
本丸から去る日の事を…。

あの日、最後に見た三日月の涙。
あれがどうしても頭から離れない。

だってそうでしょ？
何があろうと、どんな事が起ころうと、
何を考えているのかは分からないけど、
三日月だけはずっと笑っていてくれたし、
それが私の考えや決断を
後押ししてくれていたんだもん。

そんな三日月があの日、泣いたんだ。
声を出す事もなく、静かに泣いたんだ…。