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11.出会いましょう ページ22

ゆっくりと近づいてくる
小さな光。
その光に目を凝らしながら、
だけど警戒心だけは解かずに相手の出方を待つ。

このような場合、男士たちが前に出て
守ってくれる事もあるのだが、この本丸に来たのは
今日が初めてで、尚且つ、
一緒に来ているのは私を否定している一期だけだ。

そんな事を期待しているわけではないし、
寧ろ私が守る!ぐらいの勢いなんだけど。

いきなり斬りかかられる事を想定して、
私は左手首に付けている数珠に右手を添える。




??「ん?そこにいるのは、一期一振か?」

一期「……その声は、鶴丸殿…?」




一期が声の主を特定すると同時に
見えてくる特徴的な白い髪に白い服。

それは紛れもない、鶴丸国永だ。

出来るなら、
最初に見つけ出すのは脇差か打刀が良かった…。
太刀に敵意を向けられて斬りかかられれば
私に勝ち目はない。

だって私の神霊刀は、
彼らには傷一つ負わす事が出来ないのだから…。

しかし私の予想は大きく外れ、
目の前まで来た鶴丸国永は、私の姿を見た瞬間、
目を大きく見開いて驚いている。




鶴丸「ある、じ…?主なのか?!」

A「……私は今日ここへ来たばかりなのに
主と認めるなんて、鶴丸国永って
そんなに柔軟な頭を持った刀剣男士でしたか…?」




今まで請け負って来た本丸にいた鶴丸国永は、
まず真っ先に斬りかかってくるか、
私の存在を無いように扱う刀だった。

こんな反応は初めてで、
どう反応していいのか分からない…。

私が呆然と鶴丸を見ていると、
鶴丸は蝋燭を持っていない手で私の肩を掴む。

そして、かなり真剣な目をしてこう言った。




鶴丸「主だろ?主なんだろ?!」

A「た、確かに私は、
この本丸を請け負う審神者になりましたが…」

鶴丸「違う!そうじゃない!
俺は、ずっと待ってたんだ…。
主にまた会える日が来ることを…」




"また"…?
それではまるで、以前に私と会ったような言い方だ。

だけどふとそこで、私は一つの仮定を描いた。
それはとても都合のいい物で、
少々現実離れをしている。

けれど鶴丸の言い方は、
それを想像させてしまうのに十分な材料だった。




A「そんな、まさか…」

鶴丸「これを見れば、信じてくれるか?」




私の肩に置いていた手を離し、
鶴丸は懐へと手を入れる。

そこから引っ張り出して来たのは…。




A「私の、数珠…」




あれは今から7年前。
私が16になったばかりの時の話だ。

12.専門審神者になった理由(回想)→←〇●〇●



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作者名:まほろ | 作成日時:2020年3月19日 12時

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