【刀剣乱舞】ブラック本丸専門審神者壱 (ページ1)

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０．プロローグページ1

何度も話し合った。
どれだけ話し合っても埒が明かず、
困り果てていた時に
きかっけをくれたのは三日月だった。

いつもと変わらない、
何を考えているか分からない笑顔で一言
こう言ったんだ。

三日「主は俺たちを見捨てるわけではないだろう？」

はっはっは。
と、小さく笑いながら三日月が彼らを見渡すと、
広間に集まった全員が困ったように俯いた。

それからの彼らは
入れ代わり立ち代わり私の部屋に来て、
まるでその部屋が彼らの部屋のようになっていった。
寝る時も誰かが側にいて、
今剣や五虎退、秋田や乱などの短刀たちとは
同じ布団で寝たりもした。

ああ、三日月も一緒に寝たか…。
いや、これには語弊があるな。
朝起きたら三日月が私の布団に入り込んでいた。
これが正しい。

はっきり言おう。
あの綺麗な顔が突如として隣で寝ていたら、
どれだけ見慣れた顔だと言っても
心臓が止まりそうになるんだ。

それでも時間は有限で、
来なければいいと思っていたその日は無情にも来る。

政府への座標に合わし、
あとはボタンを押せば起動する所で彼らを見た。
短刀や脇差の子たちは泣いているし、
それ以外の子たちは俯いたりそっぽを向いたり。
でも寂しそうな表情なのは変わらない。

ただ一人、三日月宗近だけは笑っていた。

加州「主！……待ってるから」

大和「だから、早く戻って来てよね」

にっこりと笑い、行ってきます！
と大声で告げてボタンを押す。

私の視界が金色に包み込まれる前に見えた光景は、
彼らが頑張って作った笑顔と、

三日月の涙だった。