3 Side Pit ページ4
着地した所は不気味なくらい閑散としていて、誰かいる気配は無かった。
眼前に佇む家屋にも気配は無いし、追放されたとはいえ、元豪族の天使が住むにしては些か質素だし、立地場所も森の中、と辺鄙すぎるような。
更に不思議なのが、森の中にあるにも関わらず、この周辺だけは動物が一切おらず、雑草すら生えていない。
ピ「……パルテナ様、本当にこの場所で合ってますか?
……って、おわっ!!」
突然、前方の茂みから何者かが襲い掛かって来た。
パルテナの神弓でギリギリ受け止め、相手を弾き返す。
一人の天使はざっと距離を取り、少し驚いたような表情で話し掛けて来る。
『……あれ? 動物じゃない。天使だよねぇ』
ピ「……はい、ボクはピット、光の女神パルテナの遣いです」
ボクが答えると、天使は「あぁ、成程ねぇ」と言いながら肩を竦める。
ボクの名前を聞いて、咄嗟に反応できた事に合点がいったようだ。
ピ「貴女は、一体……?」
襲い掛かって来たのは、持っている神器がどうもごつく見えてしまう小柄な少女だった。
もし普通に生活しているところを見たとして、武器を振り回す姿は絶対に想像できないだろう。
『私は、A・フラービス。いろんな奴が、私を"狂った王女"と呼ぶの』
ピ「!」
パルテナ様が仲間にしろと仰った天使か……!
それならば、と、本人に先程からの疑問をぶつけてみた。
ピ「……何故貴女は狂った王女と呼ばれているんですか?」
無礼な物言いだ、と顔を顰めるかと思ったが、Aさんは気を悪くした様子も無く答えた。
『それは……
私が、殺しが好きだからじゃない?』
ピ「……こ、殺しが……好きぃ…………?!」
快楽殺人というやつか……?!
怖すぎるだろ!!
『そう。だから、貴方の事も殺したくてたまらない!』
ピ「う、うわぁ……」
満面の笑みを浮かべる少女に、ボクは顔を青冷めさせられる他無かった。
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降魔(プロフ) - お気に入り登録有難う御座います!🙏 (2022年8月19日 20時) (レス) id: 0646a3f0ae (このIDを非表示/違反報告)
降魔(プロフ) - お気に入り登録、15000hit超え、有難う御座います! (2021年11月15日 19時) (レス) id: 0646a3f0ae (このIDを非表示/違反報告)
降魔(プロフ) - お気に入り登録、有難う御座いますm(*_ _)m (2021年10月5日 18時) (レス) id: 0646a3f0ae (このIDを非表示/違反報告)
降魔(プロフ) - お気に入り登録、有難う御座います!! (2021年7月19日 17時) (レス) id: 0646a3f0ae (このIDを非表示/違反報告)
降魔@テスト前のため低浮上(プロフ) - お気に入り登録、有難う御座います! 続編の更新頻度、頑張って改善していきます……! (2021年6月27日 21時) (レス) id: 0646a3f0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:降魔 | 作成日時:2019年8月9日 12時