［新･光神話 パルテナの鏡］ 〜狂った王女〜

21　Side Blackpit ページ23

ナ「起きるのじゃー、ブラピ〜！」

ブ「……」


部屋のドアを乱暴に叩かれ、嫌でも目が冴えていく。

いつもなら文句を言っているだろう。
が、生憎そんな気分にはならない。

昨日の事がまだ頭に貼り付いているからだ。


ナ「？ 珍しいのぉ、何も言わんのか」

ブ「別に……。
またA・フラービスと戦うのか？」

ナ「いやいや、今日はシンに行ってもらったのじゃ」

ブ「じゃあなんで起こした」


考え事をしたくないから、もっと眠っていたいんだが。


ナ「シンがピンチになったら、ブラピに行ってもらうからじゃ」

ブ「……結局行くんだな」

ナ「今はもう、戦いが始まっておるぞよ」


愚痴をスルーしやがった。


ナ「激しい戦いじゃ。見て勉強するが良い」

「見て勉強」って……
コイツ、サラッと「お前は弱い」ってディスったな。





……オレは、戦う為だけに造られた。

それなのに、弱くて勝てないなんてな。


………そうなったらオレは、何を糧として生きればいいんだろう？


月桂樹から聞こえるシンとAが戦う音は二人が互角に戦っている事を示し、更にオレの気分を沈めていった。




……しかし。


ブ･ナ「!?」


そんな考え事も、突如月桂樹から響いた轟音によって掻き消された。




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視点変わります

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