告白の木2 ページ2
告白の木
「まぁ理屈はわかったけど
ちゃんと寧々ちゃんに説明するんだよ。
勘違いさせちゃ可哀想だからねー」
ふわふわと女子トイレの出口に向かっていくAに普は"帰るの?"聞いてくる。
「私いないほうがいいでしょ?」
なんて言いながら出ていった。
(誘うところみたくないんだけどね...
ほんと女心わからないんだから普は)
一人ため息混じりに思うとふわふわと校舎を散策していくと窓から見える大きな木に溜め息を再びつきどこかへ消えていった。
***
今日の放課後、普が寧々に告白する。
空き教室に入ると窓から見える告白の木をぼーっとみていた。
普はもうすでに木の下に来ており、寧々がかけよる姿がみえる。
「普をみてるの?」
ふっと背後に現れる人ならざるモノの気配。
「つかさ...」
つかさ特有の甘えたような声にAは名前を呼ぶ。
「よくわかったねー」
後ろを振り替えるとニヤニヤと笑うつかさに"なんの用?"と訊ねる。
「普もさ酷いよねー
Aがいるのに"わざわざ"違う子に告白するなんてねー」
つかさが顔を覗きこんでくる。
一番気にしている事を気づかれたくなくて顔を背ける。
「なんでAじゃダメだったのかな?」
さらに追い詰めるように笑いながら近づく。
「ほんとは、あの子のほうが良かったんじゃない?」
窓から木との戦闘の様子を見ながらつかさは言う。
「なんたって触れるもんね」
サラッと伝える事実に苛立ちを覚え、つかさを睨む。
余裕そうにAほうを見ると肩をつかみ壁に押し付ける。予想されていなかった衝撃にバランスを崩し、"うっ"と声をあげてしまう。
「俺は願い叶えてあげるよ。
誰からも触れ、触れることのできる身体を望むなら何かを代償に願いを叶えてあげる」
急な提案に心がぐらぐらと揺れるのがわかる。
「そんな手にのらないよ」
落とされそうな気持ちを支えるためにも言葉ははっきりとつかさに告げる。
「これ見ても言える?」
ぐっと腕を引っ張られると窓から見える景色。
木は退治することは出来たのか木の姿がなくなっていた。
その分開けた景色には泣いている寧々を抱きしめる普の姿だった。
「いつでも頼ってくれていいからね」
クスッと耳元で囁くとつかさはいなくなっていた。
「普...」
空き教室一人眺めるにはこの光景は辛すぎて、でも移動する気にもならなくて、壁伝いにしゃがむとポタポタと溢れる涙が頬を伝う。
248人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
璃炎(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます。出来るだけ早く更新していけたらと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年3月7日 9時) (レス) id: 138083c01a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 続き気になります!体調気をつけて更新頑張ってください! (2020年3月7日 1時) (レス) id: fbc5b8317e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:璃炎 | 作者ホームページ:http://nanos.jp/lampyridae/page/1/
作成日時:2020年2月9日 11時