毒姫と花子くん

トイレの花子さん8 ページ8

トイレの花子さん


「A大丈夫？」

花子さんがAに近づく。花子さんの声かけに"大丈夫"と軽く答えるとAも寧々に近寄った。

「あの人魚...しつこそうだったね」

「また来るだろうな。
ちょっとでも時間稼げればそれでいっか」

Aと花子さんの会話に絶望する。

「そ、そんな！
どうしよう花子さん、Aさん...
私あの魚に連れてかれちゃうの？

あんなお願いしますしなきゃ...
しなきゃよかったよ」

涙を浮かべながら訴える寧々。
くふって花子さんが笑ったかと思えば現実をつきつけられる。

「泣いても無駄。
これが怪異にかかわるってコトだ
言ったよね？使うなって
せっかく忠告してあげたのに
おばーかさん」

ツンと可愛く突っついても話す言葉は可愛くなく、ただ恐怖を覚える。

「花子...少し可哀想」

ビクビクする寧々を哀れに思ったみたいでAが声をかける。
ふぅーとため息を吐く花子さん。

「でも、君はセンパイには使わなかった...
だからまだ願いを叶えてあげられる。
人間に戻りたい？

願うなら叶えよう。
もちろん代償はもらうけど」

人魚の鱗を寧々に見せながら話す。

「だ、代償って...？」

花子さんに恐る恐る聞く。

「さぁ？でも最低限の日常生活は送らせてあげる。
どーする？」

「...も、戻る 戻りたい！
お願い花子さん
人間もどして！！」

交渉成立とばかりにピンっとコインのように鱗を弾く。

「言ったね？じゃぁお代はカラダで払ってもらうよ」

そっと口に鱗を咥えようとする花子さんをAが止める。

「助手でしょ？片棒かつがせてよ？」

すっと鱗をAが奪うと半分に割る。

「これで三位一体」

クスリと笑うと半分を口に含み、もう片方を花子さんに渡した。
二人が同時にゴクリと飲み込むとガタンと物が落ちる落とともに人間へと戻る体。

「彼岸と此岸の境をこえて俺達の縁は結ばれた。
君が受ける呪いは俺達が最低限に抑えてあげる

代わりにもらうよ君の労働力」

「は？」

思った代償と違ったのか間抜けな声がもれる。

「いやぁ良かった 良かった。
ちょーど欲しかったんだよ
ニンゲンの助手

やらしー意味だと思った？」

図星を刺されて恥ずかしくなり思わず花子さんにタックルする。

「あれ？花子さんに触れる」

両手を広げ、感触を確認しながら目の前で倒れてる花子さんを見る。

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