毒姫と花子くん

トイレの花子さん6 ページ6

トイレの花子さん


「息ができる...
花子さん、Aさん
これなに...？私どうなっちゃったの？」

ふと振り返れば可愛らしいお家と水草。
オロオロしていると"じじゃーん"と花子さんの声と水槽が持ち上げられ、鏡の前へと連れてかれる。

「ええーーー！！？？」

鏡に写った魚の姿に驚愕。あまりにも驚きすぎて水槽の中を右往左往と泳ぐが、それを喜んでると勘違いする花子さんに否定をするのは忘れない。

「言っただろ？代償を伴うって」

「寧々ちゃんは人魚の呪いを受けたんだよ。魚は人魚の眷属だからね」

「もし、誰かに飲ませていれば呪いは二人に分散されて薄まるからカンペキにお魚にはならなかっただろーね」

花子さんとAさんが交互に説明をする。

「使わなかったんだね。なんで？」

もう一枚の鱗を片手に花子さんが問う。

「私は先輩のこと好きでもなんでもない
ただ利用しようとしているだけだって気付いたから
花子さんの言った通り
両思いになれるなら誰でもよかったの

それが私のほんとの願いだったんだね
最低...」

ポツリポツリと涙を溢しながら話す寧々。

「よく気付けたね。それだけでも成長じゃないかな？」

ニコリと笑いながらいうAに救われたのか涙が止まる寧々。

「さても さても
ヒトとはまっこと愚かな生き物よ
しかし喜べ小娘 今よりお前は妾のしもべ...」

地の底から響くような声とガタガタと揺れる教室。
教室の一ヶ所がドプンと沼のような音とたてると沈む机たち。

「精々可愛がってやろう」

恐ろしい声の主がザバアァァと水から這い出るように現れる。


「「来たね。人魚」」

Aと花子さんの声がはもる。人魚と名乗るには程遠い姿に寧々は叫び声をあげる。

「これが人魚さ。眷属になったヤシロを迎えに来たんだ。
でも困るな 営業妨害だ」

困ったように呟く花子さんの話に聞く耳もたないとばかりに突進する人魚。

「邪魔だ小僧」

花子さんは簡単に突き飛ばされてしまう。

「あまっ「小娘お前も」

普！と叫ぶ間もなく人魚の突進はAにも続く。

「弱い 弱い。七不思議ごときが千歳を生きる妾を相手に勝てるはずなかろう
ククク...ク？」

まさに勝ち戦と言わんばかりの人魚の態度が豹変する。

「貴様ら何かしたのか...」

「知ってる？怪異毒姫」

フラりと立ち上がるA

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