ミサキ階段13 ページ34
ミサキ階段
「寧々ちゃん。もう私そんなに力ないから祠までサポートすらことぐらいしか出来ないの。
人形たちがまた邪魔をしようするから...
かまわず行って!」
Aの発言通り目の前に現れる人形達。寧々を追い越し走り抜けると人形の前で姿勢を低くし回し蹴りをする。
弾け飛ぶ人形と溶けて消滅してしまう人形達。
「依代がなくちゃミサキを作ってあげられないじゃないっ...
ずっとずっとあたしはミサキのために」
必死に叫ぶ女性の声に落ち着いていた目眩と頭痛がひどくなる。
ぐらっとする体を必死に留めるA。
「あのっ!
あなた見てるとなんていうかっ
むずむずするっていうか...
ちょっと前の自分みたいで...
"ミサキさんのため"にじゃなくて...
"自分のため"でしょ!」
寧々は叫ぶとAと作った道を走る。祠まで手を伸ばし、中を開けると"封"と書かれた札とハサミ。
女性は花子くんが縛ったロープを必死にほどき"やめて!"と叫ぶ。
彼女の感情の高ぶりはAの体調を悪化させるには十分だった。留まろうとしていた意識は遠退いていく。
寧々の札をとる音と花子くんの声が聞こえた気がした。
***
「Aちゃん Aちゃん」
寧々が必死に声をかける。
「寧々ちゃん?」
ぼんやりする意識の中、目の前に人たちをゆっくり見ていくと花子くんと寧々ちゃん、狐の怪異と人形の光。
「Aお疲れ様」
花子くんの優しい声で話しかける。
「花子...今日はごめんね」
「大丈夫だよ。次から気をつけてね
Aは七不思議から危険視されているんだから」
「危険視?」
花子くんの発言に寧々が疑問を投げ掛ける。
「そう。もともと七不思議の候補の怪異にAも含まれてたんだ。
A自身、七不思議に興味がなかったから辞退したんだけどね。
他の七不思議達からしたら、
いつ気が変わって興味を持つかわからない。
しかも、依代を壊す..ヤシロみたいな子だね
連れてきて乗っ取られるなんてことに
恐怖を感じる怪異までいたとか。
だから七番目の助手にして監視しようってことになったんだ。
七不思議から忌み嫌う存在のAが境界にいけば拒絶されるように調子が悪くなっちゃうってこと。
まあ全ての境界ってわけじゃないんだけどね。
今日もだいぶ辛かったんじゃない?」
朦朧としているAの頭を撫でて"寝てていいよ"と優しく声かけるとAの目は閉じていった。
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璃炎(プロフ) - チアさん» 嬉しいコメントありがとうございます。まだまだ初心者で右も左もわからない状況ですが頑張って更新していきたいと思います。よろしくお願いいたします。 (2020年1月29日 15時) (レス) id: c47a1168a2 (このIDを非表示/違反報告)
チア - とても面白かったです!更新、楽しみにしています。頑張ってください。 (2020年1月29日 14時) (レス) id: 5a536fab7c (このIDを非表示/違反報告)
璃炎(プロフ) - ノノさん» 暖かいコメントありがとうございます。これから気をつけていきたいと思います。本当にありがとうございました (2020年1月28日 22時) (レス) id: c47a1168a2 (このIDを非表示/違反報告)
ノノ - 璃炎さん» いえいえ。これからは気をつけてください。そして更新頑張ってください。 (2020年1月28日 22時) (レス) id: 9f177cdf01 (このIDを非表示/違反報告)
璃炎(プロフ) - ノノさん» 連絡ありがとうございます。外すのを忘れておりました。ご迷惑おかけして申し訳ありません。オリジナルフラグ外させていただきました。 (2020年1月28日 22時) (レス) id: c47a1168a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:璃炎 | 作者ホームページ:http://nanos.jp/lampyridae/page/1/
作成日時:2020年1月28日 8時