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ミサキ階段9 ページ30

ミサキ階段


「ようやく来たのね」

電話から聞こえていた声が直接耳へと届く。後ろを振り向くと着物に身を包み、怪しく笑みを浮かべる女性。

優雅な姿に反してスタスタスタと足早に作ったら身体に向かう。

思わず言い訳を漏らしてしまう光と寧々。

「素敵な身体ね!」

後ろを振り向くとニコーと笑いながら四人を褒める。怒られると思っていた寧々と光は拍子抜けしてしまう。

「実はねとっても困っていたのよ
人間の身体って何で出来てるのか
あたしにはさっぱりなんだもの...

でもやっぱり人間のことは
人間に聞くのが一番ね

これまで出来上がった
どんな身体とも全然違う...
今度はきっと上手くいくわ」

うっとりと身体を見つめると愛しいものに触るように両手で包む。

「そうよね"ミサキ"
さあ 歩いて見せて頂戴な」

身体をミサキと呼ぶと魂でも吹き込むように息を吹き掛ける女性。

ギギギギギギギギ

奇妙な音を立てながら立ち上がるミサキと呼ばれた身体。
さすがの怪異の花子くんもAもその光景に驚き、そして気持ち悪くもあった。

しかし、右足の車輪が曲がり身体はバランスを取ることができずガシャーンと音を立てながら倒れていく。

「まあ...また失敗なのね
残念だわ...」

身体の顔に触れながら寂しそうに話す。

「あ あの...
私達の他にも生徒が来ませんでしたか?

その子達は...」

悲しみにくれる女性に恐る恐る話しかける寧々。

「他?ああ...失敗した子達のことね
それなら
そこらじゅうに居るじゃない」

なんてことないように話す女性の声。そして、ハサミと制服を来た人形の山。

「あ...」

寧々が見つめる先には葵と同じ髪型をした人形。
思わず抱きしめ声をかけ続ける。

「何度も何度も失敗ばかり...
もういいわ」

冷たい女性の声が響く。それでも寧々は葵の身体をゆすり、声をかけ続ける。
人形はグラ...と首が傾くと首が水の中に落ちてしまう。

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璃炎(プロフ) - チアさん» 嬉しいコメントありがとうございます。まだまだ初心者で右も左もわからない状況ですが頑張って更新していきたいと思います。よろしくお願いいたします。 (2020年1月29日 15時) (レス) id: c47a1168a2 (このIDを非表示/違反報告)
チア - とても面白かったです!更新、楽しみにしています。頑張ってください。 (2020年1月29日 14時) (レス) id: 5a536fab7c (このIDを非表示/違反報告)
璃炎(プロフ) - ノノさん» 暖かいコメントありがとうございます。これから気をつけていきたいと思います。本当にありがとうございました (2020年1月28日 22時) (レス) id: c47a1168a2 (このIDを非表示/違反報告)
ノノ - 璃炎さん» いえいえ。これからは気をつけてください。そして更新頑張ってください。 (2020年1月28日 22時) (レス) id: 9f177cdf01 (このIDを非表示/違反報告)
璃炎(プロフ) - ノノさん» 連絡ありがとうございます。外すのを忘れておりました。ご迷惑おかけして申し訳ありません。オリジナルフラグ外させていただきました。 (2020年1月28日 22時) (レス) id: c47a1168a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:璃炎 | 作者ホームページ:http://nanos.jp/lampyridae/page/1/  
作成日時:2020年1月28日 8時

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