毒姫と花子くん

ミサキ階段8 ページ29

ミサキ階段


先程のこともあり話しかけてくる花子くん。顔は笑顔なのに有無を言わさないとばかりの覇気にAもたじろぐ。

「大丈「そんなわけないよね？」

"大丈夫"といいかけるAを制する。

「目眩のような...変な感覚はちょっと」

花子くんの様子に嘘がつけない。

「やっぱりね。
君は七不思議の境界には拒絶されることが多いと思う。
その拒絶が目眩のような感覚なんだろうね。
ここまで来たら引き返せないし
酷くならないことを祈るしかない...」

本気で心配をしているのだろう。辛そうな表情で語る花子くん

「普、ごめんなさい。」

「いいよ。その代わりここを脱出出来たらご褒美ちょーだいね」

ニヤリと笑うと寧々達の方に向かっていった。

＊＊＊


「これで最後...よね」

寧々がゴトっと祠に身体の一部をいれると同時に開く扉。

("何も出来ない"からって理由で
私達は身体を集めさせられているはず

じゃあ電話をかけてきたのは一体誰...？)

扉の向こうに答えがあるかと進むが先程と打って変わって広がる暗闇。

「寧々ちゃん。足元気をつけて」

Aの声かけで恐る恐る歩くとコツンと何かが浮いているのは見える。
しかし水深はわからない。
声をかけてもらえなかったらと思うとゾッとする。

「見ろ あそこ！誰か居る！」

光が声をあげたほうを見れば椅子に座る完成された身体。
各々思うことを口に出す。

パチャン ぱちゃ ぱちゃ

ふと会話を止めると聞こえる誰かが歩いてくる音。

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