毒姫と花子くん

ようせいさん6 ページ15

ようせいさん


(仲直りできたのかな？)

昨日のことを思い出してふと思うと何かが頭上から落ちてきた。

「彼らは勿怪。現在の名は"ようせいさん"
古くからヒトの傍に居て小さな盗みやいたすらをする怪異だよ」

目の前に色とりどりのウサギのような生き物達。花子さんは勿怪と呼ばれた怪異の説明をする。

「さっきと随分形が違うのね」

「勿怪は臆病な怪異なの。だから攻撃するときはああやって大勢で集まって変化するの」

近くにいる勿怪にアメをあげながら話すA

「本来攻撃的な怪異ではないんだけど...」

花子さんが勿怪たちの様子を見ながら言う。

「われらも ころしは したくなかった
しかし われらの"はなし"は
かわってしまったのです」

「やむなし やむなし」

勿怪たちが話す。"はなし？"と疑問を投げ掛けると花子さんが"噂のことだよ"と話す。

「大抵の怪異は噂に逆らえないんだ
噂と違う行動をする怪異はいずれ此岸から消えちゃうからね」

「消える...」

ふと目の前でAさんから飴をもらって食べている姿をみる。

「...ヤシロ 勿怪の噂を変えてあげてくれないかな」

ふとした提案に寧々は花子さんの発言を復唱する。

「俺はこの学園の七不思議。
学園に存在する全ての怪異を監督しヒトと怪異の関係を正しく保つ義務がある

殺しをするようなキケンな怪異はここには置いておけない。
排除するしかない。
もちろん排除となるとAも助手だから手伝わされることになる。」

「どちらかといえば私が助手なのもキケンな怪異になりやすいって扱いで監視目的もあるけど...」

Aさんが助手という実態を明かす。

「えっ花子さんに監視？」

恋人ってだけの関係じゃなかったんだ...少し悲しい関係に寧々はどんな顔していいのかわからない。

「Aが暴走するとは考えてないけどね。
一応表向きは監督することになってるね
まぁそれは置いといて...

勿怪の話だけど
人間のヤシロなら噂を変えてこいつらを助けられるんだ」

"たのむ" "さっきはわるかった" "アメやる"と近づいてくる勿怪に視線を送る。

「われら なんびゃくねんも
ここで ゆかいに くらしてきた

これからも ここにいたい」

涙ながらに説得する勿怪。花子さんは殺されかけたから無理には...と言ってくれたけどふと昔飼っていたハムスターを思い出し"いいよ！"と答えた。

「噂 変えてあげる！」

いっぱいの勿怪を両手にかかえて寧々は答えた。

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