第１話 ページ4
それは突然だった。
キキョウ「キルッ！待ちなさい！！」
キキョウさんのヒステリックな声が聞こえ、リルナは自分の部屋を飛び出した。何といっても相棒、キルアが関わっているのだ。
リ「キルア・・・？」
声のするほうへ走り、すぐに対峙している二人を見つける。
キルアは目を見開き、うざそうに母親を睨んでいる。
キ「おれの人生はおれが決める！こんな家、もう出て行ってやる！！」
キルアのその言葉にリルナはどきりとする。
「自分の人生は自分で決める」という当たり前のようなことを今までに考えたことがあっただろうか、と。
キ「何を言っているの！あなたには暗殺者としての素質があるのよッ！あなたは・・・」
そこで悲鳴が響いた。
キルアの手は鋭利な刃物に変化し、キキョウさんの顔は血に染まっていた。キルアがやったんだ、と理解したのも束の間、ぐいっと腕を引っ張られた。
キ「リルナ、行くぞ！」
リ「ふえっ！？ど、どこによ！」
リルナが問い質すが、それよりも目の前に大きい影が見えた。
ミルキ「キルッ！おまえ、ママに何を！」
キ「どけよ」
その殺気のこもった低い声にリルナは震える。キルアは母親を刺したその手でミルキのわき腹をすれ違いざまに刺した。
ミルキの呻き声を聞きながら、リルナはキルアに引っ張られていく。私邸を飛び出し、敷地を下っていく。
執事「キルア様！リルナ様！」
執事の慌てた声が後ろから迫ってくる。何だかいけないことをしてしまっているような気がしてリルナもスピードを上げた。試しの門を通り、守衛さんたちが驚いているのに苦笑しながら家を飛び出した。
隣町にまで来て、リルナとキルアはようやく一息吐いた。顔を見合わせて、ブハッと噴出す。
リ「キルア！一体何なの？キキョウさんとミルキ兄さんを刺してー！で、どこに行くの」
笑い事ではないのだが、生憎あの二人は好きではないのでせいせいする。あ、これは秘密だ。
キルアもにやっと猫のような顔だ。
キ「ハンター試験って知ってるか？」
リ「まあ、名前くらいなら。超難関だって聞いてるけど」
キ「行ってみようぜ。ハンター試験。暇つぶしくらいにはなるだろうし」
ハンター試験を暇つぶしに・・・。世界中のハンター志望者を敵に回したなキルア・・・。
キ「おまえも外の世界に行きたいって言ってたろ。行こうぜ！」
リルナは驚いてキルアを見つめる。だって、それは独り言のつもりで呟いた昔の話。それを覚えてくれていたのか。
リ「うん！」
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作者名：ルル | 作成日時：2017年9月12日 0時
