佐々木学麗と暗殺教室 (ページ10)

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後日談ページ10

学麗視点

　渚が自爆テロを仕掛けた日から数日が経った。
　あ、そうそう。殺せんせーは相変わらず殺せていなかったが、あの日は授業が終わったら普通に家に帰してくれたそうだ。
　あれからも殺せんせーの暗殺は大なり小なり毎日行われている。
　この前は野球大好き少年である杉野友人君が、対先生ＢＢ弾を埋め込んだ野球ボールで暗殺に挑戦して失敗したらしい。その後で殺せんせーに手入れされたのか、なんか前より雰囲気が明るくなった気がする。偶に渚とキャッチボールしてる姿を見掛けるようになったし。
　他にも笑顔で近づいて不意を突く集団暗殺を実行したらしいんだけど、まぁ普通にマッハで躱されたそうだ。その時に殺せんせーがクラスの花壇を荒らしてしまったそうで、お詫びにロープで縛られて木に吊るされた殺せんせーを狙っていいという“ハンディキャップ暗殺大会”が行われた。でもやっぱり殺せなかった。
　かくいう私も、せめて弱点が分かればやれるの可能性が上がるのでは？と思って実行してみたわけなのだが、
「先生。この社会の問題と先生の殺し方がよく分からないんですけど、どうすればいいか教えてもらえませんか？」
「ヌルフフフフ、佐々木さんは勉強熱心ですねぇ。この問題は公式に当て嵌めて考えればすぐに解けますよ。先生の殺し方については○○が弱点なのでそれを使って……」
……よし、シミュレーションは完璧だ。これほど自然に会話に出されたら流石の先生もうっかり弱点を漏らしてしまうだろう。
　それにあの先生、殺されない代わりに少し抜けてるところがあるからきっと上手くいくはず。
　皆とお昼を食べた後、授業開始前に戻ってきた先生に早速シミュレーション通りの質問をぶつけてみた。
「佐々木さん、そこまで露骨に訊いてしまうと相手は警戒してしまいますよ。もっと自然に相手の情報を引き出すための国語力を鍛えねばなりません。これから放課後にでも時間があれば一緒に勉強していきましょう。社会も分からないところがあるようなので一緒にですね」
　こうして私の放課後ライフに時々追加授業が予定として組み込まれることとなった。
　おかしい、私のシミュレーションは完璧だったはずなのに……

　