佐々木学麗と暗殺教室 (ページ22)

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赤羽カルマの時間８ページ22

切り立った崖に一本松が生える場所。その地面に私に背に向けたカルマが腰を下ろしている。カルマは苛立ちを隠せずに爪を噛んでいて、私は松の木の太い枝に腰をかけ読書をしていた。
｢……カルマ君、焦らないで皆と一緒にやってこうよ。殺せんせーに個人マークされちゃったら……どんな手を使っても１人じゃ出来ないない。普通の先生とは違うんだから」
　渚はカルマを説得しようとしているようだがこの程度の言葉で説得されんだったら始めっからやらないだろう。
｢先生……ねぇ｣
　私はこのとき彼が何を考えているのかわからなかった。
｢カルマ君、今日はたくさん先生に手入れをされましたね。まだまだ殺しに来てもいいですよ？もっとピカピカに磨いてあげます」
　渚と渚が喋っているここへヌルヌル音を立てながら、殺せんせーがやってきた。
　カルマは一度私に視線をやり、崖下を見た後にもう一度視線を交わす。そして渚と『せんせー』に向き直った。
｢……確認したいんだけど、……殺せんせーって先生だよね？」
｢…？…はい…」
｢先生ってさ命をかけて生徒を守ってくれるひと？」
｢もちろん先生ですから」
｢そっか。良かった……それが知りたかったんだぁ……ねぇ、今ってまだ朝約束した『今日』の中に入るんだよね…？」
｢えぇ、入りますねぇ…｣
｢じゃあ、今からそっちに戻って殺っても問題ないわけだ…、｣
　私は最初今日の授業のときみたいにカルマが仕掛けた暗殺を先生がいとも簡単に躱す、そうなるだけだと思っていた。しかし実際は...
「え！？」
｢にゅ！？｣
　渚くんが崖走り込んできて、そして目を見開いた。
　それに続いて私の目に、崖の縁まで飛び込む『せんせー』が見えた。
　私は最初なぜ二人が崖の方へ向かったのか理解できなかったが二人の視線の先に答えがあった。
　カルマが崖から飛び降りたのだ。驚きのあまり本を落としてしまった。
　私は慌てて木から地面にジャンプし、落としてしまった本に目もくれず崖の方へと走っていった。