ト ページ29
「あーあ、また泣いちゃった」
そう言うと、相葉くんの顔が私に近づいてきて、私の頬に流れる涙を、ペロッと舐めると、
「・・・甘っ」
って呟いた。
「風間が、違う女といるとこ、自分の目で・・・確認する？今頃、いい雰囲気になってると思うけどね？」
って笑って言ってるけど、目だけは、さっきから・・・ずっと笑っていない。
まっすぐと私を射るように見ながら、そこまで言うことが、ウソには感じられない。
「・・・で、目的だっけ？」
「・・・」
「目的は・・・A、だよ」
「・・・え」
「俺も、Aが幹事やってた二次会にいたの」
「え？」
・・・私、相葉くんに会ったことがあるの？？
「・・・やっぱ、全然覚えてねえのかよ。”初めまして”って言われたもんなぁ・・・俺、披露宴も出てたのにさぁ」
「・・・あ」
”披露宴”っていう言葉で思い出した。
同じテーブルにいた高校時代の友達が、
「新郎の友達に超イケメンがいる！」
って騒いでたのを。
・・・それが、相葉くん、だった？？
「あん時に、Aに会ってぇ、俺、一目惚れしちゃったんだよね」
「・・・」
「人生初だよ！一目惚れ！！あるんだね、そんなこと」
「・・・」
「今まで馬鹿にしてたのにさ、俺。そんな出逢いあるわけないって」
「・・・」
「だから、俺、どうしても、Aを手に入れたくってぇ」
「・・・」
「したら、俺の、なのに、風間がAを取っちゃってさ」
「・・・」
面白そうにそんなことを言ってるのに、全然笑ってない相葉くんが・・・怖い。
私を観察するように見つめてた相葉くんが、
「そんな、怯えなくてもいいんだって」
って言ってふっと笑うと、相葉くんが私の手を取って、指を絡めた。
「Aが今までみたいにいい子でいてくれたら・・・俺、超優しいよ？？」
そう言って、繋いだ私の手の甲に優しいキスを落とす。
手の甲から唇を離すと、目線を上げて、私をじっと見つめた。
「・・・いい、子？」
「俺だけのAでいてくれたら」
「・・・」
「Aが俺を裏切らなかったら」
「・・・」
そう言って温度を感じない瞳が私を見つめる。
背筋がゾクッとする位、冷たい瞳なのに。
・・・その視線から、目を逸らせないのは・・・どうしてだろう？？
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とも(プロフ) - でいじぃさんおはようございます。ホントの雅紀くんはどっち？主人公ちゃんの事を本気で好きなのかそれとも…(?_?)いつも爽やかでキラキラの雅紀くんが…謎多き雅紀くんで〜戸惑いつつ新鮮で楽しみです♪ (2017年10月29日 9時) (
レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
でいじぃ(プロフ) - なるちゃんさん» ありがとうございます。たまにはピースフルじゃない彼もみたいなぁというところから始まったお話でした。 (2017年1月11日 16時) (レス) id: 91388abb82 (このIDを非表示/違反報告)
でいじぃ(プロフ) - ＡＫＩさん» ドラマでもいい人が多いんですよねぇ。雅紀のふっと冷めた表情とか、悶絶するのに！そんな表情が見られるドラマ、私も待ってるんですよね。 (2017年1月11日 16時) (レス) id: 91388abb82 (このIDを非表示/違反報告)
でいじぃ(プロフ) - ちぃさん» クリスマスプレゼントになったかしら?こんな雅紀、ドラマで見てみたい！ってとこから始まったお話でした♪ (2017年1月11日 16時) (レス) id: 91388abb82 (このIDを非表示/違反報告)
でいじぃ(プロフ) - つむさん» そうなんですよ、ちょいちょい黒い感じ出してたんですよ！それが伝わってよかったぁ( ´艸`)どんな雅紀にでも堕ちたい、私の願望丸出しのお話になっちゃった(笑) (2017年1月11日 16時) (レス) id: 91388abb82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でいじぃ
| 作成日時：2016年12月19日 22時
