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永瀬の腕の中で、少し呼吸が落ち着いた頃
警察の事情聴取を別々で受けることになった。
ひとりで受けさせるのは心配だからと
永瀬が美奈子さんに連絡すると
飛んできた美奈子さんはずっと
私に付き添ってくれた。
事情聴取が終わると
私たちは検査入院することになった。
縛られただけで何もされていない私は
大して必要はなかったのだけど
永瀬はあまりにも殴られすぎて
体中が傷だらけになってしまっていた。
永瀬が大企業の御曹司であるため
VIPルームのような病室に
2人して寝かせられたのだけど。
隣のベッドでは永瀬が眠っていて
私はさっきの光景を思い出してしまい
さらにこの静けさが妙に気になって
全然眠りにありつけなかった。
夜が更けてきてもやっぱり寝付けなくて
私は立ち上がり
永瀬が眠るベッドサイドに腰掛ける。
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スヤスヤと眠って
起きる気配すらない永瀬。
一瞬、このまま起きなかったらどうしよう
なんて縁起でもないことが心配になる。
そんな永瀬の手を握り
一生懸命、守ってくれてありがとう。
と、心の中で思いながら
傷がついてしまった綺麗な顔を眺めているうちに
いつのまにか、そこで
顔を伏せて眠ってしまっていたらしい。
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作者名：Raine. | 作成日時：2020年5月25日 10時
