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昨日の帰り際、車から降りて
"ありがとう"
と言って笑った、あの女の顔が
なぜか、脳裏に焼き付いてしまっている。
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"れんれんッ♡おはようッ！♡"
"廉様ッ！おはようございます♡"
"廉様、お弁当作ったので良かったら…"
朝からやけに人が多いと思えば
女も男も
俺を見てキャーキャー言ってるんか。
遠くで見てれば良いものの
こうして近寄ってくる女はもう
ウザいにも程がある。
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なんやねん、くそビッチが…
「……ﾁｯ、、、ウザいねん。どけや！！」
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思いの外、強い口調になったことにも
一応の自覚はあったが
行く手を阻まられるのは
どうにも我慢ならんのやわ。
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『なんでアンタはそんな言い方しかできないの！』
…またコイツかよ。
AA。
もうええって。
これ以上、俺の調子狂わすなや…
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「うっさいねん。消えろ、ブス」
『…はぁ？！ほんっとお子ちゃまね！！』
「はぁ？なんやねんお前。」
『慕ってくれる人が居ることが
どれだけありがたいことなのか、分かんないの？！」
「別にそんなん要らんし。」
『…、、、昨日、少しは見直したのに。』
声のトーンが落ちたソイツを一瞥すると
昨日、俺を動揺させた
俺に…、可愛いと思わせた…
あの笑顔は、どこにもなかった。
そして、
『やっぱりアンタは最低なまんまだった！！』
なぜか泣きそうな顔をしながら
走っていく彼女を
俺は、呆然と眺めることしかできなかった。
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作者名：Raine. | 作成日時：2020年5月24日 1時
