Black Look. (ページ34)

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…熱があるから？

それにしても

永瀬がおかしい。

こんな弱々しい姿、

初めて見た。

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私は黙ってソファの隣に座り

何も言わないまま

また、大嫌いだった相手の頭を撫でる。

その姿を確認した後、

目を瞑った永瀬は

起きているのか寝ているのかわからない。

確かなのは

たとえ火照っているとしても

綺麗な顔立ちだということだけ。

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『…、、、なんであそこに居たの…？』

ただただ、謎でしかない。

でも、

永瀬からの返答はなかった。

それでも私には

この人の頭を撫で続ける他、

選択権がないように思えた。

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だって…

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_____ﾂｰｯ…ﾎﾟﾀｯ

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『ねぇ…なんで泣いてるの、、、？』

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迂闊にも、この人の涙を

綺麗だと感じてしまった。

起きているのかと思えるほど

眉間にシワを寄せながら涙を流す。

…なにか、辛い夢を見ているの？

私には、この人の住む世界なんて

到底理解できるものではない。

でも、今は

安心させてあげたいと思った。

大丈夫だよ、と

言ってあげたいなんて、思ってしまった。

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私は、頭を撫でている手とは反対の手を

苦しそうな彼の胴体に回して

胸にそっと、顔を寄せた。

まるで、私が彼に

抱きついているようにも見えるだろう。

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今日が終われば

明日になれば

また、犬猿の仲に戻ればいい。

今晩は2人とも、

ほんのちょっと、おかしかっただけだから。

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