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家から徒歩五分くらいの駅まで歩いて、電車を降りてから10分くらい。
少し厚めのパーカーを羽織って街灯が少ない夜道を歩いた。
カランカラン
独特のベルの音が店内に鳴り響く。
「…どうも」
「Aちゃん、こんばんは〜」
言っちゃ失礼だけど余りひとけの無い古びた店内には若い男性が一人だけ。この人は店長。
いつもはアルバイトの人とかもう少し居るんだけど。
「やっぱりお客さん増えないよねえ」
私が働いているのは個人が経営するカフェ。
元々は店長に"美人だからお客さんが来る"とか訳の分からないことを言われて仕方なく入った感じだったけど、割と楽しくてかれこれ2年くらい続いている。
相変わらずお客さんは来ないみたいだけど。
私よりも4コくらい上の店長は果たして生活出来ているのだろうか。
「店長」
「なにー?」
「生活出来てるんですか?」
「え??」
大きな目を見開いて首を傾げる。
「お客さん来ないし」
我ながら失礼な事聞いてるなぁと思いながら、好奇心で続けた。
「あ〜、その辺は大丈夫。俺ん家ボンボンだしさ」
「あー。成程。」
身長が高いわりにかなりの細身の店長は嫌味ったらしい笑みを浮かべる。
「ただの暇つぶし的な?」
「優雅ですね。羨ましい限りです」
「馬鹿にしてる?」
「いいえ?」
別に仕事に来てもする事は無いしぼーっとしているだけ。
因みに私が働いている時にお客さんが来たことはほんの何回かだけ。シフトが少ないのもあるのかもしれないけど。
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りの(プロフ) - 金柑さん» ありがとうございます〜;;;; (2018年12月23日 22時) (レス) id: d1d2f90851 (このIDを非表示/違反報告)
金柑(プロフ) - 面白かったです!これからも頑張ってください!! (2018年12月23日 22時) (レス) id: 6003901f10 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - si-si-さん» うわぁあ嬉しいです;;ありがとうございます笑 (2018年12月23日 18時) (レス) id: d1d2f90851 (このIDを非表示/違反報告)
si-si-(プロフ) - 更新すごく楽しみにしてて、本当に読むたびドキドキしました!読んでたら頭の中にユーキくんのくしゃくしゃ笑顔が見えてました。笑 (2018年12月23日 17時) (レス) id: 3493d0358c (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - だしの素さん» ありがとうございます〜;;;;いえいえ笑笑 (2018年12月23日 15時) (レス) id: d1d2f90851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りの | 作成日時:2018年11月23日 15時