決意新たに ページ44
暗い夜の寮の談話スペースで緑谷はぼーっとしていた。
部屋にいては埒があかず、頭はガンガンと痛み、酩酊と手を取って姉に言い放たれた言葉が頭を踊りまわっていた。
そんな時だった。
麗「デクくん!」
ピタリと冷たい缶ジュースが頰に当てられた。
緑「わっわっ!!麗日さん!」
ニシシといたずらっぽい笑顔を浮かべて見せると少し悲しそうな笑顔に変わる。
麗「デクくん、元気ないなって思って、大丈夫、じゃないよね。悲しそうや。」
デクくん、デクくんは偉いね。
いつも誰かのために頑張って、
でも少しはデクくんも他の人に頼ってもいいと思うんや。
麗「一澄ちゃんもそうやった。ふとした時にどこか遠くて、」
悲しむように懐かしむように笑う彼女の顔に緑谷は胸がキュッといたんだ。
緑「ねぇ。麗日さん。もしも自分が愛している人が自分のこと忘れてしまったらどうする?」
緑谷の質問に麗日は静かに一言述べた。
麗「それはとても悲しいことやね。」
緑「その人が自分のことを忘れてしまいたいぐらいに憎んでいたのかとか、自分がそんなにも傷つけていたのかって考えるともう、」
何もッ!考えられない!
歯を食いしばり、涙を堪える出久に麗日は優しく微笑んだ。
麗「私もきっとそうなる、もっと酷いかもしれん。」
けど、一番苦しいのはその人忘れた人やと思う。
自分が何を失ったかも分からずに訳も分からず心に大きな穴が空いて、悲しみを悲しみとも感じられないまま生きていく。
麗「私やったら耐えられへん。そんなの。」
ねぇ、一澄ちゃん、敵連合の死柄木って人といたよね。
そういう問題に踏み込むのは悪いと思う。でも。
一澄ちゃんはいい子や。
本当に悪い人はあんな優しい顔できへんよ。
そうか、辛いのは自分だけじゃない。
姉さん。貴方は今どこで何をしているんだろう。
どうか貴方が悲しまないでいてほしい。
麗「私はテストじゃあんまりいい点取れへんけど、でも、そーゆうのはちゃんと分かってるつもりやから。」
だから、私も一澄ちゃん探したい。
出来ることをしたいんや。
緑「今の姉さんは誰かを傷つけてしまう。」
麗「うん。」
緑「ッ!危険な目にあうかもしれない。」
緑谷のセリフに麗日は優しく、そして力強く笑った。
麗「大丈夫。あの子はきっと戻ってくる。
目、覚ましてあげよう。」
大丈夫だ。僕は一人じゃない。
かっちゃんや轟くん、クラスのみんな。
姉さん、貴方を必ず助け出す!!
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かむかむ(プロフ) - Tyrant-unknownさん» リクエストありがとうございます!楽しんで貰えると嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2019年4月29日 23時) (レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
Tyrant-unknown - お久しぶりです。またで申し訳ないですけどリクいいですか?弔くんと夢主ちゃんの恋人同士みたいなのがいいです。お願いします。名前が長ければTyrantでいいです。 (2019年4月29日 22時) (レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
かむかむ(プロフ) - ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年4月4日 21時) (レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
unknown - リクエスト受けてくださりありがとうございます。面白かったです。 (2019年4月4日 6時) (レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
かむかむ(プロフ) - unknownさん» リクエストありがとうございます!楽しんで貰えると嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2019年4月3日 22時) (レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かむかむ | 作成日時:2019年4月3日 0時