make my story ページ32
僕が唯一僕であるための。
ねぇ、普通って何？
特別にならなくていい、普通の幸せを手に入れて普通の人生を歩んで欲しい。
一見慈愛に満ちたその台詞にトガは散々苦しめられてきた。
貴方の普通が私の普通じゃなくて。
ト「ミケランジェロちゃん。普通ってなんでしょーね？」
ストローを噛むたび思い出す。あの日のこと。
呼ばれた主である彼女はライムグリーンの髪をフワリと揺らして振り向いた。
『どうして？普通なんてそんな曖昧なもの、聞かれても分からないよ。そんなこと聞くなんて逆にどうしてそんなこと聞くのか教えて欲しいくらい。』
トガは予想外の返答に戸惑った。
トガの思い人の姉であり、元雄英生の彼女なら世間では��常識��と言われているものを知っているとばかり思っていたから。
ト「私ね、普通が知りたいです。何が普通なのか幸せなのか、知りたいな。」
トガの頼りなさげな表情を見つめた一澄は優しく微笑んで問う。
『トガちゃんは血を啜っている時、幸せ？』
ト「はい！幸せです！・・あっでもそれは、世間のいう普通の幸せではないんですよね。」
ギュッ、柔らかな感触がトガを包み込んだ。
ト「えっ！」
『よしよし。トガちゃん、偉かったね。
今までずっと我慢してきたんだよね。
好きなことを好きと言えず、誰が決めたのかも分からない常識なんてモノに囚われて。』
行き場を失って独りぼっちの感情が暗くて冷たいところでシクシク泣いてるの。
たしかにその感情は誰かを傷つけるのかもしれない。
でも、何も悪い事をしたわけじゃないのに、
ただ自分にとっての幸せがその形だっただけ。
人肌の温もりよりも、返り血の生温かさを求め、
ありがとうの声よりも恐怖の叫びを求めてしまった。
『大丈夫、ここでは貴方を傷つけるモノなんてありはしない。その為にココがあるんだよ。
行き場を失った独りぼっちの感情を優しく包み込み、守る、最後の場所。だからここを守ろう。』
光はね、届くわよ、でもあまりに弱すぎて水面の上の方は掬い取ってくれるけど、
水底のもっと深く、泥に埋もれたものは救いさえしない。
だからみんなで天国を作ろう。
水底の楽園を。
その為に私はここにいるんだよ。
一澄の優しく寄り添うような声にトガは涙が溢れて止まらない。
そうだ、私はずっとどこかで独りぼっちだった。
この気持ちをわかってくれるこの場所をもう離れない。
『泣かないで、世界に私たちが正しいって事を知らしめよう。その為に私がいるのよ。』
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かむかむ(プロフ) - Tyrant-unknownさん» リクエストありがとうございます！楽しんで貰えると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2019年4月29日 23時) (
レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
Tyrant-unknown - お久しぶりです。またで申し訳ないですけどリクいいですか？弔くんと夢主ちゃんの恋人同士みたいなのがいいです。お願いします。名前が長ければTyrantでいいです。 (2019年4月29日 22時) (レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
かむかむ(プロフ) - ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年4月4日 21時) (レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
unknown - リクエスト受けてくださりありがとうございます。面白かったです。 (2019年4月4日 6時) (レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
かむかむ(プロフ) - unknownさん» リクエストありがとうございます！楽しんで貰えると嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします！ (2019年4月3日 22時) (レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむかむ | 作成日時：2019年4月3日 0時
