姉が姉なら ページ23
これはまだ一澄たちが中学生の頃の話である。
『出久って彼女いるの？』
問われる言葉に出久は顔を顰めた。
視線を向けた先にある姉の姿に赤面する。
フワリと漂う石鹸の香り。
濡れたライムグリーンの艶々なこと。
バスローブから覗く豊満さを感じる谷間。
このラフな、いいや、一応思春期を迎えている弟に対する気遣いの無さすぎる格好。
一応彼女も思春期の筈なのだが。
出「い、いないよ。からかわないでよ。
てゆーか、姉さん服を、」
『んー？服？ハイハイ服ね。』
姉さんはそういってバスローブを脱ごうとするので、出久は大慌てである。
出「姉さん！ダメだ！それはいけない！」
『何よ？服をきりゃいいんでしょ？』
ふにゃふにゃとした口調の姉の顔は赤みを帯びてている。
のぼせたのだ。茹で蛸のように。
一澄の風呂の入り方は恐ろしい。
なんと、風呂を火傷しない範囲の中なら最高の温度まで追い焚きし、気を失うくらいになるまで浸かるのだ。
それも毎日、姉はよく風呂場で気絶するというはた迷惑なトラブルを引き起こすので母がよく救出に行く。
母思いの姉なので、最近は控えているのだが、限界まで浸かっているのは間違いないようで、
そして運悪く、今日は母が光己さん、かっちゃんの母と旅行に出かけているのだ。
バタン！姉が勢いよく倒れた。
出「あー！？姉さん！！どうしよう！救急車？
いやでものぼせただけだし、いやとにかく救急車を！」
『出久、ダイジョーブ、水、水をオクレェェ。』
出「水！？、う、うん！」
ひとまず、姉をベッドに運び、ミネラルウォーターの入ったグラスを差し出す。
『ん、飲ませて。』
蕩けるような瞳の姉がふにゃふにゃとまた言うので、仕方無く、姉の身体を支え、口元にグラスを持っていく。
こくん、こくん、と喉を小さく鳴らして水を飲む姉の顔は依然としてして紅く、目は焦点が合わない。
出(ち、近いよ・・・。)
仕方ないと言えば仕方ないのだが、
『アハ、出久顔真っ赤、かーわいい。
お姉ちゃんと遊ぶ？』
パキン、と出久の中で何かが弾けた。
ドスン！
『・・・えっ？』
姉の驚いた顔にしてやったりという優越感が高まっていく。
今まさに出久は姉を組み敷いていた。
良い眺めだ。
いつもからかわれたばかりの姉にこんな顔をさせれるなんて。
しかし、次の瞬間なんともいえない感情が込み上げてきた。
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かむかむ(プロフ) - Tyrant-unknownさん» リクエストありがとうございます！楽しんで貰えると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2019年4月29日 23時) (
レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
Tyrant-unknown - お久しぶりです。またで申し訳ないですけどリクいいですか？弔くんと夢主ちゃんの恋人同士みたいなのがいいです。お願いします。名前が長ければTyrantでいいです。 (2019年4月29日 22時) (レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
かむかむ(プロフ) - ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年4月4日 21時) (レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
unknown - リクエスト受けてくださりありがとうございます。面白かったです。 (2019年4月4日 6時) (レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
かむかむ(プロフ) - unknownさん» リクエストありがとうございます！楽しんで貰えると嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします！ (2019年4月3日 22時) (レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむかむ | 作成日時：2019年4月3日 0時
