相澤せんせーとツンデレ奥様【相澤消太】 (ページ26)

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すぴーどこんとこうかいページ26

「ただいま。」

シンとした部屋に相澤の声が響く。それもそうだ。

もしかして。そんな期待は当たり前のように裏切られ、相澤はひどく後悔した。

「あんな顔、させたかったわけじゃない。」

今更後悔しても遅い。しかし、浮気された手前、相澤は自分から謝るなど考えてもいなかった、でも。

本当に浮気したのか？

嫌なら嫌というだろ。アイツは、現に高校の時だって心が離れて行ったのはすぐに分かった。

「いや、浮気だろ。アイツ、本音は意外と言わないもんな。」

そうだ。離れてやるのがアイツのためだ。

そもそも俺は監視の名目でアイツを縛った。そういう関係に持ち込んで、結婚した。

もっと、いろんな世界を見せてやるべきだったのかも知れない。

オールフォーワンという男に青春時代を騙し取られ、アイツの中の男はアイツか、俺しかいない。

アイツみたいに、汚れ仕事をさせたり、平気で愛さないなんて言い捨てる男よりマシかも知れない。

しかし、世の中には俺よりもちゃんとアイツを愛せるいい男はたくさんいる。

それこそ、ホークスのような。

そうだ。ホークスとでも結婚すればいい。

アイツじゃなくても、いろんな男を見て、これからいいやつに出会えばいい。

それで子供でも作って、アイツの夢であろう理想の家庭でも築けばいい。

相澤は自分が親に向いているとは思わない。先生なんてやっているが、本当はそんなガラじゃない。

現にもう３０にもなるのに子供のことなんて全く考えなかった。

轟家のようにたくさん子供を作って、そうすればアイツもきっと穏やかな良妻賢母とやらになるのだろう。

なんやかんや、あの轟母の妹なんだから。

「そんで、俺のことなんてさっさと忘れろ。」