相澤せんせーとツンデレ奥様【相澤消太】 (ページ16)

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「で、年下の俺に恋愛相談というわけだ。」

ホークスおすすめの焼き鳥屋でAはぶすっとした顔をしている。

「ほらぁ。そーんな顔しないの。あんたお顔は綺麗なんだから。」

『くし、食べにくいからはずしてくんない？』

「え、やですよ？俺、世話焼かれたいタイプの人間なんで。」

チッと舌打ちすると酔いも回っているのかゲラゲラとホークスは笑う。

「はー、Aさん。あんたも出会った当初からだいぶ丸くなりましたねぇ。」

『その話はしないって約束でしょ？』

「はいはい。」

実はA。若気の至りでいっとき、裏社会の王なんて呼ばれる男と付き合ったことがある。

その時は燈矢もまだ荒れてて、世話ばかりかけている相澤に当たってしまうのが怖く、一時的ではあるが、別れていた。

そんな時に声をかけてきたのがあの男だった。

“ねぇ。君、大丈夫？“

まさか、そんな敵とは気づかずに付き合いはじめて約半年、ホークスが尋ねてきて、真相を聞かされた。

あの時の自分は頭が沸いていたのか"それなら私も彼に"と思っていたが、相澤に正気に戻されたのだ。

“なにやってんだ、馬鹿！！愛されてる。だ？？？じゃあお前は俺にお前の今やってること平気でしろって言えるのか！？言えねーだろ！！！！！！“

OBということで講演という形で雄英の大型金庫に忍び込み、生徒の個性や個人情報が書かれたファイルを盗もうとしたところ、厳しい顔をした相澤やプレゼントマイクをはじめとする雄英のヒーローや、オールマイト、エンデヴァーまでいた。

戦闘になったが、案の定相澤に個性を消され、No.1、２ヒーローや雄英のヒーローに勝てるはずもなくあえなく敗北。

結局その講演は私を雄英に誘き出すための作戦だったそうだ。

『あのことに関しては一生背負って生きていくわよ。

あんたが心配しなくても。

それに私の情報のおかげであの人をタルタロスに行かされたんだから。』

彼は、現在、タルタロスで収監中だ。彼のとんでもない技術と個性のおかげで生き返った愛しき弟ことワンフォーオール初代に監視されながら。

彼の弟に対する深すぎる愛を見てからは、私もすっかり、彼が自分を愛すことなど天地どころか宇宙が作り直されてもあり得ないとわかった。

「はいはい！じゃあテンション上げていきましょ！」

目の前に置かれるサントリーのハイボールをAはぐびっと飲んだ。