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Aの父親は特に信心深い人間で、毎日のようにAを連れて俺の元へ通ってきていた。


「教祖様、どうか極楽へと私をお導きください」


そう言って頭を下げるその男は、優しげな目元を涙で濡らして、「教祖様」と何度も俺に呼びかける。


俺はそれに応えるように優しげな笑みを作って「信じる者は救われます」と説いたあと、なんの感情も映さない瞳でこちらを見つめるAへと目を向ける。


「……」


目が合っても顔色ひとつ変えないAに努めて穏やかに微笑みかけると、Aは「…教祖様を信じたら、私も救われますか」と小さな声で呟く。


「A!何を言うんだ!」
「もちろんだよ。…A」


父親の言葉を遮って笑顔を保ったままAにそう呼びかければ、途端に苦しそうに歪むAの可愛らしい顔。


どうしたの、何がそんなに苦しいの。
言ってごらん。俺が助けてあげるから。


「ああ、A。何か辛いことがあるんだね。聞いてあげるから、お父さんには先に帰ってもらおう」


そう言いながら父親に目を向けると、苦々しい表情を浮かべた父親がAに何か耳打ちをして、渋々と教団を出て行く。

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チーズ(プロフ) - ななさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉、そして最後までお読みいただきありがとうございました! (2019年12月18日 9時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - レインさん» ありがとうございます(^^) (2019年12月18日 9時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
なな - すっごく面白かったです。長すぎず短すぎず読みやすいし…この作品作ってくださりありがとうございました (2019年12月18日 7時) (レス) id: 1bb73627c8 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - チーズさん» え、うちの方が大好きです! (2019年12月17日 22時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - レインさん» レインさん!コメントありがとうございます!こちらの童磨も、なかなか切ない結末ですもんね、、私はむしろ、一つ一つ丁寧に感想をくださるレインさんが大好きです! (2019年12月17日 20時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2019年12月14日 17時

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