美少年 【嘴平伊之助】

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「じいちゃん！」


次の日Aが伊之助に会いに行くと「じいちゃんに会いに行くぞ！」と突然に腕を掴まれて、Aはされるがままじいちゃんとやらに会いに行くことになった。


「おお、嬢ちゃんが伊之助の友達か！」
「友達っ？」


爺さんの友達という言葉に嬉しそうな表情を見せたAは、慌てて「Aと申します！」と頭を下げる。


「可愛いなぁ〜！金平糖あるぞ、食うか？」
「！食べたいです！」
「俺は！？俺の分もあるのか！？」
「もちろんあるぞ」


Aが一粒食べる間に伊之助は口の中いっぱいに詰め込んでいて、遂にはAのものまで横取りし始める。


「こら伊之助！友達には優しくせんと嫌われるぞ！」
「んががっ！」


何を言っているかは分からないが、驚いたような声を出した伊之助は、口の中からまだ噛み砕かれていない金平糖を取り出し、Aの口の中へと突っ込む。


「んぐっ、」


二個、三個、と詰め込まれて、ようやく状況を理解したAは、「んん！？」と顔を真っ赤にして勢いよく後ずさる。


「んがっ！」


Aに向かってニカっと笑ってバリボリと金平糖を噛み砕き始めた伊之助に、爺さんが大きなため息をついて、「人間として教えなくちゃいけないことが、山積みだな…」と項垂れる。


「…ふふっ、でも、一緒にいるとすごく楽しいですよ！」
「そうか。これからも、仲良くしてやってくれな」
「こちらこそです！」


爺さんの気持ちなどいざ知らず、伊之助は美味しそうにただひたすら金平糖をむさぼり食っていた。

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