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そのあとAはここに来た理由を鬼殺隊士たちに話し、その最後に、自分を月彦をおびき出すためのエサに使って欲しい、と告げる。
「Aさん…」
「皆さまが、月彦さまの前で私を殺したいなら、ぜひそうしてください。ですが…もしお慈悲をかけてくださるなら…もう人を食べないと約束させて、命だけは…、助けていただきたいのです」
Aの願いに、何を言っているんだ、と騒がしくなる周りを輝哉が無言で制止して、「理由を…お聞かせ願えますか」とAに問いかける。
「…ごめんなさい。ごめんなさい…。…愛しているんです。今でも…、どんなに酷い人でも、それでも…」
愛してる。
その場の誰もが想像していなかった言葉に、一転してしんと静まり返ったその場は、もはや息を吸う音でさえうるさく感じるほど。
そしてAのその言葉にとやかく言う者はもう誰もいなくなり、どこまでも静かなその空間に、誰かのすすり泣くような音だけがもの悲しく響いた。
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チーズ(プロフ) - manayattiさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉をありがとうございますー!!こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m (2020年12月26日 22時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
manayatti(プロフ) - とても美しすぎて儚すぎる結末に声が出ないくらい涙しました。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月26日 2時) (レス) id: 1471b15ec3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - 草薙@sadist_nagiさん» コメントありがとうございます!そして最後まで読んでいただきありがとうございました!かく言う私も、目から大量の海水をこぼしながらこの作品を書きました、、自分で言うのもあれですが、本当に切ない結末ですよね(;ω;) (2020年12月25日 15時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
草薙@sadist_nagi - …あれ…目から海水が(( (2020年12月25日 14時) (レス) id: b78cc7195a (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ゆうこさん» コメントありがとうございます!もちろん気付きました〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m (2020年11月11日 23時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ | 作成日時:2019年11月29日 19時