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Aの意思に関係なくあっという間に進んだAと月彦の結婚は、病床で弱っている月彦をAがたぶらかしたなどど有りもしない噂が流れ、散々な言われようとなっていた。

「A、側へ」
「はい」

それでも、どんな要求にも従順に応えるAのことを大層気に入った様子の月彦は、早々にAを自分の屋敷に住まわせ、事あるごとにAを呼びつけ、本来なら側付きがするような自分の身の回りの世話まで、Aにやらせていた。

「風呂に入る。お前も一緒にだ」
「…はい」

戸惑いながらも一枚ずつ着物を脱いでいくAを目を細めて見つめたあと、月彦は自分の着物を脱ぐのもAに手伝わせる。
スチームサウナのようになっている個室に二人で入り、浮いてきた垢をこすり落とすのだが、もちろんそれもAの仕事だった。

「お前は…なんでも私の言うことを聞くのだな」
「はい。…なんでも、貴方さまの思う通りに」

Aの返答に機嫌よさげに口角を上げた月彦は、「口を開けろ」とAの唇に指を這わせる。
言われた通りすぐに口を開けたAは、突然目の前に迫りくる月彦の顔と、口の中に差し入れられる暖かくぬるりとした感触に、驚いて後ずさろうとしてしまう。
そうすると、抵抗するな、と言わんばかりに思い切り首を締め上げられて、そのまま塞がれ続ける唇と、蹂躙されつくす口内。
そのあまりの苦しさに許しを乞うようにAが月彦の両腕を握りしめれば、満足したのかようやく離れる月彦と、そのまま月彦の胸にもたれかかるA。

「お前は本当に…愛いやつだ」

苦しそうに咳き込むAの頭を優しく撫でながらそう言った月彦は、愛おしげな表情でAを見つめ、その髪に静かに口付けを落とした。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 鬼舞辻無惨 , 月彦
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チーズ(プロフ) - manayattiさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉をありがとうございますー!!こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m (2020年12月26日 22時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
manayatti(プロフ) - とても美しすぎて儚すぎる結末に声が出ないくらい涙しました。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月26日 2時) (レス) id: 1471b15ec3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - 草薙@sadist_nagiさん» コメントありがとうございます!そして最後まで読んでいただきありがとうございました!かく言う私も、目から大量の海水をこぼしながらこの作品を書きました、、自分で言うのもあれですが、本当に切ない結末ですよね(;ω;) (2020年12月25日 15時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
草薙@sadist_nagi - …あれ…目から海水が(( (2020年12月25日 14時) (レス) id: b78cc7195a (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ゆうこさん» コメントありがとうございます!もちろん気付きました〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m (2020年11月11日 23時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2019年11月29日 19時

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