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鬼の二人、少年から逃げて、もう今日は帰ろう、とAが夜道を歩いていると、突然後ろから腕を掴まれて、後ろに身体を引かれる。

「待ってください!」

Aが勢いよく後ろを振り向くと、そこに居たのは先程の少年。

「…あの、妹に会って行きませんか」

Aの返事を聞かぬままAの手を取って歩き始める少年は、訝しげな表情を見せながらも無言なAに、「名前は何て言うんですか。俺は、竃門炭治郎って言います」と笑顔で話しかける。

「…Aです」
「Aさん!顔に似合う、とっても可愛らしい名前ですね」

久々すぎる他人とのまともな会話に、どう返事をしていいか分からないAが曖昧に微笑むと、炭治郎が「すごい!笑うともっと可愛いですね」と笑うので、月彦さまも恥ずかしげもなく人を褒める人だったな、とどうしてもAは月彦を思い出してしまって、久しぶりに、きゅ、と胸の奥に痛みを感じる。

「…苦しいんですね」
「え、」
「そういう匂いがします。苦しくてたまらない、って…」
「…その苦しいことから、私は逃げて来たんです」

そこまで話して、突然目の前に現れる竹を咥えた少女に、二人の会話は中断される。

「禰豆子!置いていってごめんな」

小さく首を横にふる禰豆子と呼ばれた少女は、炭治郎の隣に立つAを観察するようにじっと見つめる。

「この子は俺の友達の、Aさんって言うんだ。禰豆子と同じ、人を食わない鬼らしい。何か感じるか?」

再び首を横に振った禰豆子はそのまま炭治郎にぴったりとくっついて、たまにAに目をやりながら静かに歩く。
それから程なくして遠くに見えてきた先程の鬼の青年に、炭治郎は笑顔で駆け寄る。

「待っていてくださったんですか!」
「…珠世さまに言われたから来ただけだ。着いてこい」

この青年と炭治郎たちは約束していたのかと思ってAが立ち止まると、青年も一緒に立ち止まって、「お前もだ」とAを振り返る。

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チーズ(プロフ) - manayattiさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉をありがとうございますー!!こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m (2020年12月26日 22時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
manayatti(プロフ) - とても美しすぎて儚すぎる結末に声が出ないくらい涙しました。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月26日 2時) (レス) id: 1471b15ec3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - 草薙@sadist_nagiさん» コメントありがとうございます!そして最後まで読んでいただきありがとうございました!かく言う私も、目から大量の海水をこぼしながらこの作品を書きました、、自分で言うのもあれですが、本当に切ない結末ですよね(;ω;) (2020年12月25日 15時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
草薙@sadist_nagi - …あれ…目から海水が(( (2020年12月25日 14時) (レス) id: b78cc7195a (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ゆうこさん» コメントありがとうございます!もちろん気付きました〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m (2020年11月11日 23時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2019年11月29日 19時

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