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結局、あまりにいつも通りすぎる杏寿郎のおかげで案外緊張せずゆっくりとお風呂に浸かることができたAは、杏寿郎の身体を見て邪な気持ちを感じるよりも先に、無数にある傷痕の方に目が行ってしまった。


「…気になるか?」


そう言ってAの手のひらを自分の身体に押し付けた杏寿郎は、「好きなだけ触っていいぞ」と瞳を細める。


「う、あのっ、」
「Aの身体は綺麗だな」


優しげに微笑んだままそう言った杏寿郎はAの肌に指先を滑らせて、すりすりと肌の感触を確かめるように何度も同じ場所を行き来する。


「っ、」


触れられた場所から、杏寿郎に伝わってしまうのではないかと思ってしまうほどうるさく騒ぎ立てる心臓に、Aは震える唇を噛みしめて、ただただ穏やかに微笑む杏寿郎の表情を見つめる。


「やはり、裸の付き合いは良い!…心の距離まで縮まる気がする!」


そのまま痛いくらいの勢いで杏寿郎に抱きしめられたAは、驚きすぎて何も言えず、肌と肌の密着した感触に一気に身体が熱を持つのを感じる。


「きょ、杏寿郎さ…」
「!大変だ、身体が熱いぞ!…のぼせたか?」


Aの声は聞こえているのかいないのか、驚いたようにそう言って、まるで赤子を抱き上げるかのように脇を掴んでAを湯から引き上げた杏寿郎は、Aの上気した顔にさらに驚いたように目を見開く。


「すまない!無理をさせたか!」
「え、いや、大丈夫で…」
「このまま入っていては危険だ!すぐに出よう!」


もはや杏寿郎に、Aの声は届いていないようだった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎
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チーズ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!期待に添えるように頑張りますので、よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - よもぉぎさん» コメントありがとうございます!無限列車に乗車したんですね!私まだなんですー!煉獄さん現実に来て欲しいですよね、、更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - 読ませていただきました!!煉獄さんがイケメン過ぎるし千寿郎は可愛くて お話が更新されるのを楽しみにしてます(*´ω`*)更新大変だと思いますが、無理せず頑張ってください☆ (2020年11月4日 8時) (レス) id: 010b0b49eb (このIDを非表示/違反報告)
よもぉぎ(プロフ) - はわぁ...素敵すぎます〜!!煉獄さんから愛されるなんて話数を積む事ににやけが増していきます!!無限列車にも乗車したんですがどれほど煉獄さんが現実にいたらと思ったんだろう。。更新頑張ってくださいー!!! (2020年11月4日 7時) (レス) id: 990295e7ae (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - パプピーマン。さん» コメントありがとうございます!好きすぎるだなんて嬉しいです!口角が富士山!言い回しが上手すぎて思わずクスッと笑ってしまいました、、!!関係ないですけど、今の季節の富士山はめちゃくちゃ綺麗ですよね〜(笑)更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年10月30日 11時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月8日 14時

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