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「…杏寿郎さんは…いつか突然、私の知らないところで…死んでしまうかもしれないんですね」
「…そうならないように、日々鍛錬を積んでいる!」
杏寿郎が死と隣り合わせの場所で戦っているとき、自分は呑気に家事をして千寿郎と笑い合ったりしているのだと思うと、Aはあまりの自分の無力さに、泣いてしまいそうになる。
「…手足の一本や二本、無くなったって私が一生お世話をしますから。だから…、命だけは、無くさないで帰ってきてくださいね」
「…。約束はできないし、しない。…この世に、絶対というものはないからだ」
「…はい」
「だが、これは約束しよう。俺がもし死を目の前にしたとき。…最期に、Aのことを想う。Aを愛していると。Aの行く末が、幸せであり続けるようにと」
そう言う杏寿郎の声が穏やかで優しくて、Aは杏寿郎はとっくの昔に覚悟を決め終えているのだと気付いて、それ以上は何も言えなくなる。
「俺は本当に幸せ者だ。自分の無事を願う者がいるということが、どれほど心強いか」
どこかもの悲しいAの気持ちとは裏腹に、杏寿郎に背負われながら見た山頂からの景色は、今まで見たどの景色よりもずっとずっと、綺麗だった。
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チーズ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!期待に添えるように頑張りますので、よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - よもぉぎさん» コメントありがとうございます!無限列車に乗車したんですね!私まだなんですー!煉獄さん現実に来て欲しいですよね、、更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - 読ませていただきました!!煉獄さんがイケメン過ぎるし千寿郎は可愛くて お話が更新されるのを楽しみにしてます(*´ω`*)更新大変だと思いますが、無理せず頑張ってください☆ (2020年11月4日 8時) (レス) id: 010b0b49eb (このIDを非表示/違反報告)
よもぉぎ(プロフ) - はわぁ...素敵すぎます〜!!煉獄さんから愛されるなんて話数を積む事ににやけが増していきます!!無限列車にも乗車したんですがどれほど煉獄さんが現実にいたらと思ったんだろう。。更新頑張ってくださいー!!! (2020年11月4日 7時) (レス) id: 990295e7ae (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - パプピーマン。さん» コメントありがとうございます!好きすぎるだなんて嬉しいです!口角が富士山!言い回しが上手すぎて思わずクスッと笑ってしまいました、、!!関係ないですけど、今の季節の富士山はめちゃくちゃ綺麗ですよね〜(笑)更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年10月30日 11時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月8日 14時