冨岡義勇 ページ8
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耳を、疑った。
「…嘘を言うな。そろそろ引退か」
「嘘イワナイ!A、シンダ!」
何度突っぱねても同じことを繰り返す鎹烏に、ようやくAの死を現実のこととして理解したころ、突然目の前が真っ暗になって、立っていることすらままならなくなる。
「A…」
もう、会えないのか。
あの柔らかな笑顔に。俺を包み込んでくれるような、温かな優しさに。
悲しい、と思うより先に涙があふれて羽織にこぼれ落ちたのに気が付いて、頭の片隅に今は亡き錆兎と蔦子姉さんの顔が思い浮かぶ。
これはきっと、俺への罰なのだろう。
親友の命を踏み台にして生きている俺への。
結婚を控えていた姉さんを犠牲にして生き延びた、どうしようもない俺への。
「…A…」
何度もAの名前を呼びながら、流れる涙もそのままに、あてもなくただひたすらに歩き続けた。
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チーズ(プロフ) - そうなんです、みんな切ないんです、、これもすごく悩みながら書き上げたので、コメントありがとうございました(^^) (2020年5月18日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 切なすぎるぅ!三人みんな切ない!さねみんのときだけ夢主ちゃん自我があまりないしぃ!義勇さんはまた大切な人をなくすしぃ!鬼残様はやっと手に入れたのにいなくなるしぃ!何この3つの悲しいセット (2020年5月18日 17時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ | 作成日時:2020年4月30日 16時