不死川実弥 ページ5
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Aが殉職した、との知らせを受けたのは、珍しく任務が早くに終わって、夕食の材料の他に甘味でも買って行ってやろうと団子屋を後にした時だった。
「A、無惨二ヤラレタ、A、無惨二ヤラレタ」
鎹烏の言っている言葉の意味が分からずにただ右から左に聞き流して、ようやくその意味を理解したとき、まるで身体が自分のものではなくなったかのように、うまく力が入らなくなりその場に膝から崩れ落ちる。
…嘘だろ。嘘だろ?
「ねぇねぇ!私、実弥の手料理が食べてみたいな!」って、今朝は笑ってたじゃねぇか。
お前の言葉に浮かれて真に受けて、つい買いすぎちまったこの食材を、一人でどうしろっつうんだよ。
「…Aっ」
"愛してる"って、今日こそは伝えるって、やっと。
やっと、決心できたとこだったんだぞ。
「A…!」
実の親を殺して生き残った俺は、人を愛する資格もないってか。
「クソ野郎っ」
人目も気にせずそう叫んで、食材が転げ落ちるのも人にぶつかるのも構わずに、とにかく一人になりたくて剣を振りたくて、屋敷まで全力で走りぬけた。
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チーズ(プロフ) - そうなんです、みんな切ないんです、、これもすごく悩みながら書き上げたので、コメントありがとうございました(^^) (2020年5月18日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 切なすぎるぅ!三人みんな切ない!さねみんのときだけ夢主ちゃん自我があまりないしぃ!義勇さんはまた大切な人をなくすしぃ!鬼残様はやっと手に入れたのにいなくなるしぃ!何この3つの悲しいセット (2020年5月18日 17時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ | 作成日時:2020年4月30日 16時