十一代目黒龍の女は資金集めのハニトラ女優 (ページ3)

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九井『2人共準備は出来てるか？』

乾『おう。』

「なんかこの服露出しすぎじゃない？」

胸元がガッツリ開いたドレスを着せられた私は

オシャレなスーツを着せられているイヌピーと共に

ココにとあるパーティーへと連れてこられた。

九井『言っとくが会場内に入った瞬間からAは俺らとは他人だ。ちゃんとここ(胸)に札入れてもらえよ？』

目を細め口角を上げるココは

このパーティーで一番金にガメツイのだろう。

ロビーには人が居なかったので

一緒にホールまで行くがお互い一切話さない。

パーティー会場へ入った直後

ココに沢山の紙幣を谷間に挟まれる。

「！？」

九井『…初手で誰かが入れりゃどんどん入れてくるんだよ。』

対面でのハニートラップは何度も経験していたが

このような大人数から一度に大金を受け取るなんて

初めての事だった。

分からないまま会場をグルっと回る。

明らかな金持ちや地位の高い者に挨拶をすると

バンバン大金を積み込まれる。

次の人に行く前に大抵のお金は取り出すのだが

すぐにいっぱいになってしまう。

「(太っ腹な人が多いな。)」

おじさんばかりだななんて思っていると

目を引く若い男2人組が数十メートル先に居た。

目を凝らすと六波羅探題の灰谷兄弟だった。

これは大きな収穫だと、

谷間に入れ込まれた紙幣を全て取り除き

灰谷兄弟へご挨拶に行く。

上辺の話しか出来なかったが

兄の蘭が万札を数枚入れてくれた。

浮き足で会場のドアを閉める。

ロビーへ行くとくつろぎ過ぎているイヌピーと

そんなイヌピーを心配そうに見つめているココが居た。

「2人とも早くない？もう疲れたの？」

楽しいよ！と笑いかけるが2人からは

苦笑いしか返って来ない。

九井『一周するだけで二時間も掛かってるんだぞ？』

「その分こんだけ儲けてるし！」

札束をココへ押し付ける。

「それにこのパーティー何故か六波羅の灰谷兄弟が居るわ。」

その言葉に先程まで眠そうにしていたイヌピーまでもが

私の方を見た。

九井『マジか。』

乾『一旦帰る？』

九井『いや〜でもここからが稼ぎ時なんだけどなあ？』

それでも巻き上げたお金を全て灰谷に取られたら…

と考えたら満場一致で引き返す事にした。

九井『灰谷兄弟と接触したのか？』

「挨拶くらい。それと蘭の方からお金貰った。」

乾『俺も貰おうかな。』

九井『イヌピー自分の金にしそう怖い。』