優しい人＝蟹が好きな彼 ページ28
公式生放送の次の日、見事に二日酔い。
｢うぅ、人と飲むとこんなにも飲めるものか…｣
私はお酒が弱いわけでも強いわけでもない。ただ状況によって呑まれやすいことが分かった。後半の方の記憶があまり残っていないのも確か。
｢あれ、レトさんから不在着信入ってる｣
ふとスマホを触っていると、昨日連絡先を交換したばかりのレトさんから不在着信が届いていることに気がつく。出るか分からないけど折り返しかけてみよ…
_レ｢もしもし、フェネックちゃん？｣
｢うん、レトさんごめんね出れなくて｣
レ｢いや寝てると思ったんだけど、昨日の様子見てて大丈夫かなぁって思ったから連絡してみた｣
…昨日の私はレトルトという人物には酷く写ったようだ。なんて失態を晒してしまったんだ、私…。
｢二日酔いは酷いねぇ…声も枯れてる｣
レ｢水、しっかり飲みな？あとしじみの味噌汁とかも効くから。ちなみにフジくんも二日酔い。｣
｢えっそうなの？笑｣
レトさんによると、昨日はフジくんと私がかなり酔っていたらしく心配で連絡を入れたら案の定フジくんも二日酔いだという連絡がきたみたい。
レ｢でも電話越しの感じフェネックちゃんの方が酷い｣
｢だよね、私もそう思う。こんなに飲んだの久しぶり｣
レ｢きっとこれから飲みの場多くなるだろうし、女性なんだから気をつけてね？昨日は俺らだったからあれだけど、結構やられるから。｣
結構やられる？何の話だろ、よく分からないけど()
｢うん、ありがとうレトさん。気をつけるね？｣
｢うん。あ、そういえばフェネックちゃん化粧品の何か俺のバックに紛れてたよ？何でか分からんけど笑｣
｢うぇ！？嘘！？｣
咄嗟に化粧品のポーチを漁ってみる。けど案外何がないのかが分からない。そもそもなんでそこに紛れた？
｢どんな感じのやつ？｣
レ｢えぇっとね、キラキラしてるやつ。｣
｢キラキラ…グリッターメイクに使うやつかも｣
最近無駄にハマっているグリッターメイク。それに使う何かを忘れたのかもしれない。というか絶対それ。
レ｢？よく分からないけど、どうしよ｣
｢レトさんの予定合わせて取りに行くよ！｣
レ｢フェネックちゃんは？今週どこあいてる？｣
｢んー直近だと明日かな、早すぎる？｣
レ｢いや全然いいよ、住所送るね｣
｢うん、ほんとごめんね｣
私が謝ると、気にしないでという少しだけ明るい声が聞こえてきた。うん。レトさんは優しい人だ。
電話のあと、レトさんから住所が送られてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まい | 作成日時：2021年3月15日 18時
