実際あざといのは君の方じゃない？ ページ20
ー公式生放送当日ー (レトルトサイド)
_｢なので、ここの広告の休憩で…はい、お願いしたいです。場合によってはここはどうすれば…｣
彼女の姿を見ていると、とてもじゃないけど俺らより公式の生放送に出たことがない人とは思えないくらいに慣れている。場馴れがすごいなぁ…
フ｢レトさん本当に大丈夫？笑｣
レ｢うん。フェネックちゃんすごいなぁって…｣
牛｢確かに。慣れてる感すごいもんね｣
今回は彼女が主催だからスタジオのセッティングとかタイムスケジュールとかを細かく確認しているみたいだけど、なんかプロな顔してる。
牛｢ビビり組ってなんか嫌だけど笑｣
レ｢でもうっしーに説得力ないね｣
フ｢でも珍しいメンツだからねー｣
この生放送を視聴者に伝えると、案外批判のコメントは少なく思えた。むしろ彼女の交流関係が広がっていることに対して嬉しいというコメントもあったし。
｢あれ、みんな席の順番これでいーい？｣
少し遠目で見ていた俺らを呼ぶ声が響く。普段の動画であんなに奇声をあげているとは思えないくらいの綺麗な声で、思わず惚れてしまいそうだ。
フ｢フェネックちゃんは絶対真ん中だよねー｣
牛｢なら並び的に俺も真ん中の方がいい？｣
主催ってこともあるけど、背的なものだろう。結局、
左からフジくんうっしーフェネックちゃん俺になった。バランス的には完璧だろう。
フ｢え、フェネックちゃんすごい華奢｣
｢そう？｣
フジくんの言う通り、実況では声しか聞かないしパソコンのSkypeで通話する時も声だけだからあまり分からない。それに実写動画で見ていたとしても、実際に隣に並ぶわけではないから分からない。
牛｢俺も思った、なんかいい意味でイメージと違う｣
｢ほんとにいい意味？笑｣
牛｢ほんとだって笑｣
ふふっ、と遠慮がちに笑う声は普段よりも女性らしい、本当に動画の人物と同じなのかと疑うぐらいには俺にも彼女の人物が違って見えた。
｢それ言ったら私もそうだよ！特にレトさんとか、普段ふわふわした感じなのに体格とかはしっかりしてて、男性って感じするもん！カッコイイし！｣
レ｢え、フェネックちゃんにはどう見えてたの？笑｣
｢うーん、あざとい？笑｣
レ｢酷い｣
｢嘘だよ、可愛くもありカッコイイ人だって！｣
多分、彼女は無意識でそんなことを言ってる。自分の破壊力を理解してないんだろうね。
『本番10分前でーす』
スタッフから声がかかる。
各々自分の席に座り、準備をし始めた。
ホラーゲーム公式生放送開始→←壁システムがなくなりますように
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作者名：まい | 作成日時：2021年3月15日 18時
