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そんな訳ない。




猫が人間になるなんてありえない。私は夢でも見てるのだろうか。








首を傾げてまん丸の目で私を見る彼。その姿は何故かクロと重なって。









「そ……そうだクロ」









ベッドの下、クロの好きな毛布、棚の影、いつも大体いる所は全て探したけどその姿はない。









「だから、僕がクロだって」


「だって猫が人間になるなんてそんな事……、」









ふと、彼の右腕を見て愕然とした。クロが付けていた赤い首輪が彼の腕に着いていたから。驚きを隠せない私に、彼はベッドから降りて近付いてくる。






黒のワイシャツ、黒の緩いパンツ、裸足、……腕の首輪。目の前に立った彼は私より大きかった。









「やっとわかってくれた?」








私の顔を覗き込んでそう言う彼。私は何も言葉が出なかった。呆然としていると彼は私の腰に手を回し私を抱き寄せた。華奢な身体だな…と思っていると、耳元で一言。









「時間大丈夫?」

「……じ、じかん………?」








化粧も落としてなければ髪もボサボサ。……今日も仕事だよ!!早くお風呂入らなきゃ!!と彼の腕を勢い良く剥がし脱衣所に急ぐ。







シャワーを終えリビングに戻ると彼はソファーに横になって目を閉じてる。…寝てる?



とりあえず急がなきゃ、とバタバタ準備して家を出る前にもう一度彼を見る。こんなにも騒がしくしていたのにさっきから全く動かず目を閉じたままだった。









「…………猫……」








膝を曲げて横になってスヤスヤ眠るその姿はまさに猫。








………こんな事って、本当にあるんだろうか……







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エリンギプール(プロフ) - 続きが気になります! 大変だとは思いますが、更新待ってます! 頑張ってください (2018年12月15日 23時) (レス) id: b1e7a3c80b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:な な . | 作成日時:2018年10月10日 23時

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