Only you . (ページ29)

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コンビニで買ったカフェオレを一口飲んで、またパソコンと資料とにらめっこして。

ここ最近はなんだか忙しくて、残業も多くなった。でもそれでいい。あれからユーキは帰って来ない。忙しい方が色々考えなくて良くなるけど、その分冷静になった時はやっぱり考えてしまう。彼は今どこで何をしているのか、そもそも生きているのか。きっと外の世界なんて何も知らない彼が、１人でどうやって生きていくのだろう。

…綺麗なお姉さんに拾われて、幸せに暮らしてたりとか。

「あれ、まだ残るの？」

「これだけやっちゃいます」

それから１時間くらいパソコンと向き合って、目処もついてきて大きく伸びをした。それと同時に机の上に置いていたスマホが震える。

「もしもし？」

『あ、お姉ちゃん？今大丈夫？』

「うん、どうしたの」

電話をかけてきたのは弟の佑亮だった。たまに連絡を取る程度でそんなに顔を合わせる訳ではなかった。電話なんて珍しい。

『なんかねえ～叔父さんが入院したんだって、僕らも時間空いてたらお見舞い行ってって連絡来て……お姉ちゃん土曜とか空いてたら一緒に行かない？』

「土曜？うん空いてるよ」

『良かったぁ～、じゃあまた後でラインするね！』

電話を切って、ふとそのまま連絡先を眺める。画面をスクロールすると、見慣れた海の番号。

あれから、海から連絡が来る事はなくて。もう私達は本当に終わったのかな。

………あっけなかったな。

『……あー幸せだなあ』

『え？』

『Aと付き合えて、幸せ』

『…ふふ、うん。私も』

私に告白してくれたあの日も、幸せを噛み締めながらそう言ってくれたあの日のことも、嘘みたい。

海と付き合った２年間。後悔なんてないけど、ただ。

海がどうして浮気したのかなんて、私にはわからないことだし理由だって聞きたくないけど。それでも、私に何かが足りなかったのかな、と考えてしまうもので。私が変わったから？それとも２年経っても全く変わらなかったから？それとも、海が変わった……？

「………わかんない、」

そのまま机に突っ伏すと気の抜けるようなお腹の音が鳴った。……お腹空いたな、帰ろう。

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