この笑顔が好きなんだ。 ページ40
___動画が投稿されました。
その通知を受けてすぐに動画を開く。そこには満面の笑みで楽しそうに踊る彼女の姿があった。
レ「あ、キヨくんの彼女さん?」
「うん。見て、可愛いでしょ。」
牛「また自慢してやがるw」
ガ「キヨベタ惚れじゃん笑」
たまたま今日はこの4人と動画を撮っていた。その合間に投稿されることは知っていたから、その時間だけは確保させてもらったのだ。
キ「まぁ推しであり彼女でもあるからね」
レ「むしろ仮面とって正解じゃないの?」
キ「それは俺も思う」
仮面を外し、全力で踊る彼女の姿は輝いていた。コメントでもそんな姿が好評されている。
“しゃるとちゃん仮面とってから活き活きしてる!”
“しゃるちゃんの笑顔可愛すぎて今まで仮面で見えてなかったの勿体ないよ!?可愛すぎ!!”
“某ゲーム実況者Kさんと幸せなんだろうな笑”
“彼氏が出来てから更に美人度が増してる気がする!”
レ「ニヤつくなよ笑」
キ「いやぁだってさ、めっちゃ可愛いじゃん!」
俺らの関係を公表してから早数ヶ月。勿論賛否は両論だ。推します!っていう子もいればありえないって子もいる。中にはしゃるとのことを嫌いと言うやつも。それいったら俺も嫌いって言われてるけど。
それでも受け入れてくれる人の方が多くて安心した。
しゃるとの覚悟はみんなにも伝わったようだし。
仮面を外して活動してからチャンネルの伸びがすごい。それに色んなイベントにもお呼ばれされて、最近は忙しいみたいだけど。それでも彼女は頑張ってる。
ガ「あの件は、もう大丈夫だったの?」
キ「あの件って…あー、セクハラ?」
ガ「結構あーゆーのトラウマになるっていうし…」
キ「その件に関しては大丈夫。それに、しゃるとにはあの会社辞めて貰うことにしたから。」
牛「まじで?」
もともと彼女は踊り手を専門的に活動している子だ。最近忙しくて仕事の両立が忙しいと言っていた。でもやはり踊り手の活動は続けたいみたいだし、俺がその案を提案したんだ。
自分で言うのもあれだけど、女性一人は養える。というか貯金もしてたし。この貯金はしゃるとのために使いたいって思えたから、今使うことにした。
キ「あの子、仕事してる時も輝いてるけど、なにより踊り手として活動している姿の方がずっと好き。」
画面の中の彼女と目が合う。彼女は俺に微笑んでいた。そう、俺はこの笑顔が好きなんだ。
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作者名:まい | 作成日時:2020年12月12日 19時