【ky】第一印象は恋でした。 (ページ37)

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茶色の封筒ページ37

その事件から1日経った次の日。俺は彼女の会社に呼び出しをされて、彼女と共に会社へと向かった。

向かう途中のタクシーでは、しゃるとの顔色は強ばっていて不安がそのまま顔に出ていた。大丈夫だよ、と手を握る。彼女の手は冷たく、震えていた気がした。

｢ここの5階が私の会社。｣

会社の前で深呼吸をした彼女が前に立ち、案内をしてくれる。エレベーターに乗って5階に到着し、しゃるとが会社の扉を開けた。すると、会社の一番偉い人だろうか？扉の目の前に居て、自分たちに頭を下げた。

『この度はうちの社員が申し訳ございませんでした』

｢へ、編集長…！どうか頭を上げてください…！｣

しゃるとは彼女のことを編集長と呼んだ。自分もさすがにそんな偉い人に頭を下げさている状況に焦りを感じ、頭をあげるように促した。

『あの男は当たり前ですけどクビにしました。まさかそんなことをする人だなんて思ってもいなかったから…本当にごめんなさい。怖い思いをさせて…』

｢いいんです。編集長も悪気があってやったことではないですし、私も不注意だったのがいけないんです｣

『いいえ、猫宮さんのせいではないわ。絶対に。…隣にいるのが、彼氏さん…よね？』

編集長と呼ばれる女性が俺に目線を向けた。

キ｢はい。清川と申します。いつもAがお世話になっております。｣

『清川さん、本当にありがとうございました。貴方のおかげで猫宮さんが助かって…本当に良かった…』

キ｢自分も今、安心してます。｣

『うちの編集社員も、猫宮さんの姿が見えて安心してます。猫宮さん、会社で人気だから。』

編集長さんが奥で様子を見ていた社員を呼ぶと、俺らの周りは一気に囲まれた。猫宮さんよかったです！とか、Aちゃん良かったよ…等の声。

｢うん。今みんなの顔見れて安心してるよ…｣

とある社員の女性が、辞めちゃうんですか…？と不安そうな声でしゃるとに問う。するとしゃるとは柔らかく微笑んで、辞めないよ。とだけ言った。

｢私はこの会社が好きだし、社員のみんなも好き。だからこそ、また頑張ろうって思ってるよ。｣

『…猫宮ちゃん、ありがとね…』

｢いえ。それで、なぜ今日は彼も呼んだんですか？｣

『あぁ、そうだった。清川さん。ちょっといい？』

キ｢はい。｣

俺は案内された部屋まで行って、彼女の目の前に立つ。そして彼女が取り出したのは茶色の封筒だった。