怖かったよね、 ページ36
キ「お前っ、何するつもりだよ…」
『んー?襲っちゃおっかなぁって笑』
キ「ふざけんな」
いやダメだ。冷静になろう。あの写真から何か分かることはないだろうか。もう一度写真を開く。
『でもさすがに猶予を与えないのも罪だよねぇ?だから、1時間待ってあげてもいいよ?笑』
キ「…Aには絶対手出すなよ。」
『はいはーい笑』
相手はぶつっと通話を切った。相手は気づいていないだろうけど、通話録音には成功した。そして写真をもう一度見る。多分だけどここ、俺泊まったことある。
キ「…あいつ馬鹿だな…」
相手がたまたま泊まったことがあった俺だったのもあるけど、窓の外からかなり景色が見えている。そこには目印となる建物。警察に連絡すれば大丈夫だ。
キ「…事件です。自分の彼女が男に誘拐されました。誘拐された場所の写真が送られてきたんですけど、場所の予測は自分なりに出来てます。はい、…」
俺は詳しく事情を話し、数十分。家に警察が来た。そこでもまた事情を話して、証拠も全て提供した。
キ「はい。俺も行きます。」
俺は初めてパトカーへ乗った。サイレンを鳴らされていないから周りから変な目で見られることはなかった。そこに関しては本当に奇跡だと思う。
とあるホテルの受付の人に写真を見せて、何号室に案内したかを問えば、直ぐに番号が分かった。
『冷静にお願いします。』
警察の人が鍵を開けようとした途端に、その部屋から叫び声が聞こえてくる。聞き覚えのある声。
「やめてっ、!!嫌だっ、っやめて、くださいっ…!」
警察の人も焦ったようで、急ぎで鍵を開けた。警察に着いていくように俺も部屋に入る。警察は男を囲み、男の事を捕らえる。男は悔しそうだ。
キ「Aっ…!!」
俺は一目散にAのもとへ向かった。Aの衣服は少しだけ乱れていた。見た感じ襲われかけた寸前のようだ。彼女にはトラウマがあるっていうのに…。
男は部屋から連れ出される。そして1人の警察官がら落ち着いたら出てくるように促された。
キ「…A、よかった…Aっ…」
俺はAのことを強くぎゅっと抱きしめた。彼女は震えている。あまりにも衝撃的だったのか、言葉を発することなく大粒の涙をこぼしはじめた。
「…きよくんっ、こわ、かったぁっ…きよく、っ……ごめんなさいっ…私、のせいでっ…」
キ「Aのせいじゃない。もう大丈夫だよ。」
俺は小さい子をあやす様に彼女の背中をさすりながら離すもんかというくらいに抱きしめていた。
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作者名:まい | 作成日時:2020年12月12日 19時