身の危険が訪れる。 ページ35
しゃるとサイド
佐｢へぇ、Aちゃん彼氏いるんだ〜｣
あまりにもこの人がしつこいため、諦めてもらうためにも彼氏がいることを打ち明けた。そうすればきっとこんなには絡んでこないだろう。そう思って。
けど、実際は違かった。
佐｢俺彼女いないんだよね〜相手してよ〜？笑｣
彼は慣れたような手つきでボディタッチをしてくる。なぜこの人がモテているのか疑問でしかない。
｢あはは…ダメですよ｣
佐｢そんなに彼氏さんいい人なの〜？｣
…早く帰りたい。なんで打ち合わせ終わったあともこの人と居なきゃいけないんだ。この人と飲むお酒は美味しくない。…キヨくんに会いたい…。
佐｢ん？お酒飲む手が止まってるよ？｣
｢今日は帰りのこともあるんで｣
佐｢タクシー代出すよ？｣
｢大丈夫です、笑｣
私はその人と距離を置きたくてお手洗い場へと逃げ込んだ。どう帰ろう…。何か理由をつければ帰れるかもしれないし。かと言っていい理由は浮かばない。
｢…はぁ…｣
明日は会社ではなく、珍しくオフの日だし。でも予定あるって言って帰ろうかな。うん。そうしよう。
｢すみません、長くお待たせして｣
佐｢いーや、大丈夫だよ？｣
｢ちょっと明日早いので、今日はもう帰りますね｣
ビールを飲みほして帰る準備をする。佐倉先輩のお話はまだとまらない。とまらない限り帰る訳にもいかないし、なんて考えているうちにどんどん眠くなってきた。ダメだ、私。帰らなきゃ…。
佐｢Aちゃん、おやすみ｣
身の危険を感じた時にはすでに遅し。
私はそのまま意識を失った。
キヨサイド
キ｢あ”ぁ…疲れた…｣
時計を見るとさらにどっと疲れが出てくる。疲れている時、俺は彼女の声が聞きたくなる。彼女の声は俺にとって癒しでしかなくて、元気をくれる。
キ｢電話、してみっか…｣
スマホを鳴らすと案外直ぐに出てくれた。いつもはこんなに早くないんだけど…。
『もしもし？』
キ｢…っ…お前、誰だ。｣
『あ、予感的中かなぁ？笑 Aちゃんの彼氏？笑』
もしかしてとは思うが、こいつこの前言ってた男じゃないか？なぜこいつが電話に出る？ダメだ、冷静に…
キ｢そうだけど。お前、なんで電話出てんの｣
『んーまぁ簡単に言えばお持ち帰りさせてもらった』
キ｢は？｣
『一緒に飲む方が悪いよね？でも帰るって言い出した時焦ったけど。そうだ、写真送ってあげるよ。』
少し経ったあと写真が送られてくる。
そこにはベットに横たわるしゃるとの姿があった。
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作者名：まい | 作成日時：2020年12月12日 19時
