居心地のいい場所 ページ33
キヨサイド
キ｢俺さ、彼女…できたの。｣
ガレ牛｢｢まじで？｣｣
たまたまこの4人で撮る予定があったから、この話題を持ってきた。もちろん最俺メンバーにも話すつもりだけど、とりあえずこの3人から。
レ｢ほんとに言ってる？｣
キ｢ほんとだって！w｣
牛｢フェイクニュースじゃないだろうな｣
キ｢そんな嘘つくわけないじゃん！w｣
ガ｢えぇ、信じられなぁい…｣
キ｢だぁかぁらぁ！ほんとだって！！w｣
…とまぁこんな感じで誰一人として信じてくれない。俺どれだけ信用されてないの？悲しいんだけど。
レ｢相手は？｣
キ｢…表に出て、活動してる人。｣
ガ｢へぇ…誰？｣
このメンバーになら、明かしても大丈夫。そう信じてるから、打ち明けることにした。
キ｢…踊り手の、しゃると。｣
俺がそう呟くと、しばらく無言が続く。その沈黙を切り裂いたのは牛沢だった。
牛｢キヨの推しって言ってた子じゃん。｣
キ｢そう。本当にその子と付き合うことになったの。｣
レ｢いやいやどこまでその値にのぼりつめたん？｣
ガ｢キヨがそんな嘘つくわけないのは分かるけど…｣
キ｢いや俺だってまだ信じられてないよ！？でも正式にお付き合いもしてるし、…｣
牛｢でもほら界隈違うじゃん？｣
うっしーに問われたのは痛いところだった。確かに、彼女は踊り手で、俺はゲーム実況者。あまり接点はないし、俺も彼女のファンであることは明かしてない。
レ｢そもそも、それ公表するの？｣
キ｢隠れてコソコソ付き合うくらいなら、堂々とはしていたいけど…正直、怖いよね。｣
ガ｢まぁ、そうだろうな。｣
でも、俺は彼女に言われた言葉を正確に覚えている。
キ｢でも、不安がってた俺が、しゃるとちゃんに言われた言葉…すごく心に残ってるんだよね。｣
“キヨさんは、ゲーム実況者である以前に…1人の男性なんです。私も、踊り手である以前に1人の女なんです。幸せになる義務だって、あるじゃないですか。”
_キ｢だから俺は、幸せになりたいよ。｣
沈黙。ここまでの沈黙は久々で少し体が強ばる。
レ｢…その子、すごくいいこと言うね｣
牛｢幸せになる義務、かぁ…。｣
ガ｢キヨがそう思えた相手なら、公表するかちゃんと話し合って、これからどうするか決めるべきだね。｣
ガッチさんの言う通り。守るべき人が出来たんだ。
ガ｢大切にしなよ、彼女さん。｣
レ｢幸せになれよ｣
牛｢お前なら大丈夫｣
この居場所はとても居心地がいいものだと実感した。
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作者名：まい | 作成日時：2020年12月12日 19時
