苦手意識強めの先輩 ページ32
編集長「上からのお誘いは滅多にないし、それに先輩の佐倉もいるから、どうかなって思ってね」
“佐倉”。その人は私の先輩にあたる人で、会社でもモテる優しいイケメンだと騒がれていた。ちなみに私は会話なんてした事ないも同然だ。
佐「あ、Aちゃん?佐倉です!」
どこからともなく現れた佐倉先輩に驚いた私だったが、やっぱり近くで見ると整っているなぁと思う。
佐「俺はもう受けるつもりなんだけど、Aちゃんが居れば心強いなぁって…Aちゃんはどう?」
この人の印象、何こいつ。めちゃくちゃ親しげに話しかけてくるなぁ、なんて正直思っちゃった。
「両立、できるか不安ですけど…頑張ります」
編集長「そうこなくっちゃ!ちなみに明日は上と打ち合わせをしてきて欲しいんだけど、大丈夫?」
「明日、は大丈夫です」
佐「僕も大丈夫です!」
編集長「じゃあ打ち合わせ場所時間、後で送るわね」
編集長も忙しないな…。しっかりしてるように見えて、意外とズボラな性格だったりするし。
佐「Aちゃん、連絡先交換しよ?これからよろしく」
「あぁ、はい。よろしくお願いします。」
このテンションといい、いろいろときついなぁ…。どれだけ踊り手界隈の男性陣が真のいい人かが分かる…
_「…あぁっ…」
家に帰ってきてソファへと体を投げ出す。会社でも久々に仕事してきたけど、あの佐倉っていう先輩はどうも苦手意識が強いな。なんであれがモテるの?
「よく分からないなぁ…。先輩から連絡来てるし…」
佐倉Aちゃん今日はお疲れ様!
佐倉今日はゆっくり休んでね!明日の打ち合わせ現場まで一緒に行かない?近くにカフェあるよね?Aちゃんと行きたいなぁ
「…こっわ。」
行きたいなら私じゃない人誘えばいいのに。でもここで断ったら死後に支障をきたすな。はぁ…。
A佐倉先輩もお疲れ様です。あの近くにあるカフェですよね?行きましょうか。
佐倉やったぁ!嬉しい!笑
佐倉じゃあ打ち合わせ開始30分くらい前にカフェで集合ってのはどうかな?
「せめて15分前が良かった…」
少し肩を落としながら了解です。とだけ送信した。これから忙しくなっていく現実に体が追いつけるか心配だけど、キヨくんも頑張ってるし頑張ろう…!
その日の夜はいつもより少し早めに眠りについた。
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作者名:まい | 作成日時:2020年12月12日 19時