【ky】第一印象は恋でした。 (ページ22)

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ifの世界線についてページ22

フジサイド

キ｢…あ！しゃるとちゃんからだ！｣

部屋にケータイの通知音が響いたと思ったらキヨだった。キヨは嬉しそうに画面を見ている。

キ｢あ…俺、帰るわ｣

キヨは帰る支度を始める。まぁ別に実況は撮り終えてるし構わないんだけど。じゃあな、と言って出ていく彼を俺はただ無言で見つめていた。

フ｢…あいつ、大丈夫かな…？｣

ヒ｢なにが？｣

フ｢しゃるとちゃんに対してガチ恋勢なのはいいんだけど、いきすぎてないかなって…｣

俺らはあくまでゲーム実況者。そして彼女は踊り手。界隈も違うとなると出会うことも本来なら少ない。

こ｢同じ演者だしな｣

こーすけの言う通りだ。ましてやお互いに同担拒否の人やガチ恋勢な人がたくさんいる。その人たちからすれば、同じ演者という立場を利用して仲良くしているとしか見えないのではないだろうか…。

ヒ｢でもキヨの一方通行でしょ？酷いこといえば…｣

フ｢まぁ、ね。彼女がどう対応してるか分からないけど…｣

こ｢キヨが好きだから彼女が良いように映ってるだけで、第3者から見れば彼女がどうかは分からない話だしね、正直言っちゃえば。｣

そこが問題点なのだ。まぁキヨが誰を好きになろうが俺らには関係ないんだろうけど、同じメンバーとして不安なんだ。騙されてないかって…。

ヒ｢でもフジも応援してるよね？｣

フ｢そうだけど、俺はあくまでただのファン。いい子だとは思うけど、私生活となれば話は別だよ…｣

ヒ｢まぁ確かに、俺らを応援してくれてるファンの人も俺らの私生活は知らないわけだしねぇ…｣

キヨは俺らの中でも1番有名といっても過言ではない人物であって、たくさんのイベントに出ている。そりゃあ稼いでもいるだろうし…。お金目当て、とかだったら嫌じゃん。当たり前だけど。

ヒ｢でも、どうしてフジは彼女に対して否定的な考えばっかり持ってるの？｣

フ｢否定…的…？｣

ヒ｢だってフジも応援してるなら彼女の魅力もたくさん知ってるでしょ？それをなんで信じないで、ifの話ばかりしてるのかなって。応援してるからこそ分かることもあると思うけど…｣

ヒラに言われてみればそうだ。なんで俺、こんなにもモヤついた気持ちになってるんだろう…？

ヒ｢それはキヨは、彼女が酷いような人だったら例え好きな人でも仲良くしてないでしょ？｣

こ｢言われてみれば、高校の時もそうだったし｣

2人の言う通りかもしれない。もうifの世界線について考えることをやめよう。キヨなら、大丈夫だ。