【ky】第一印象は恋でした。 (ページ3)

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複雑でいて、苦しくて。ページ3

フジサイド

キヨからの突然の電話に驚いた。何かあったの
か、もしくは動画でも回してるのかなんて考え
たけど、予想は全く違う理由だったのだ。

キ｢俺の実況見てるって、しゃるとちゃん。｣

フ｢うん。で、何で夜に呼び出されてんの？俺｡｣

キ｢なんとなく。｣

見て見て！と、キヨは喜びに満ちた顔で、その
ファンとのやりとりの画面を見せつけてきた。

フ｢…しかもありがたいことにキヨの周りの実況
者のことも進めてくれてるじゃん！｣

キ｢いやまじでこれはやべぇよ？事件事件。｣

いやたまにって前文があることに気づいてない
のか？それかキヨが単純な脳みそなのか？

フ｢でもキヨの動画ほぼ下ネタだべ笑｣

キ｢そうなんだよ、どの動画見てんだろ…｣

俺も自分のアプリを開き、彼女のリプ返を見る｡
何気にキヨに勧められたあの日から､彼女のこと
を応援してるつもりだ。フォローもしてる。

フ｢…最俺もTOP4も名前上がってるよ？｣

キ｢やば、それはもう見てくれてるも同然｣

キヨはスマホをテーブルの中央に置き、頭を抱
えた。そんな様子を見て俺はどうしろと？

キ｢どうしよ、DM送ってみようかな｣

フ｢え、俺の動画見てくれてるんすかって？笑｣

キ｢…さすがにキモイなw｣

キヨがここまで女性に対して情熱的になるのを
久々に見たな。女優さんとか好きなキヨだけど
最近はしゃるとちゃん一途なとこあるし。

キ｢フジ。動画撮ろ。｣

フ｢えぇ！？いきなり！？笑｣

キ｢動画撮らないと落ち着かねぇ。｣

フ｢それはもう病気！！笑｣

キヨはゲームの準備をし始める。けど正直俺は
不安だ。だって仮面被ってるし、素顔は分から
ない。それにどんな性格をしてるとか、会った
こともないんだからね…？怖いでしょ。

キ｢考えすぎて下手になりそ、｣

フ｢ほんとに大丈夫なの！？笑｣

キ｢多分。｣

これ、だいぶ重症だな。ほんと、珍しい。

フ｢まぁ、頑張ってよ。｣

キ｢随分他人事だな！w頑張るけど！！w｣

複雑な心境であること、それは黙っておくのが
正しいんだろうな。俺は応援、しなきゃ。