どうしてなんだろうか。 ページ19
しゃるとサイド
電話を切って、そのままベットへとダイブする。そして近くにあったぬいぐるみを強く抱きしめた。
｢なんで、なんだろ…｣
明日は会社に行くし、早く寝なきゃとは思うんだけど寝付けない。それはさっきの電話のせいなのだろうか…。けど、キヨさんの声はやたらと落ち着いた。
｢初対面のはずだったのに…｣
直接会って、間もない人をこんなに信用してしまうのは私の危機感のなさからだろうか。それともキヨさんが単純に優しすぎる人なのか…。
『まだ1回しか会ったことないし、頼りないけど…俺はしゃるとちゃんが不安に襲われてるの嫌だよ…。』
どうして私に優しくしてくれるの？
どうして私なんかのことを気にかけてくれるの？
私の中では疑問点が増えていく一方だった。あの人のせいでしばらく異性が怖くなってしまったというのに…こんなにも壁がすぐ壊れるのは初めてだ。
｢あぁもう、わかんないっ！！｣
これ以上考えてもらちがあかない。考えるのをやめた私の目は閉じていく。あぁ、早く会いたいな。なんて、キヨさんのことを考えながら。
__｢おはようございます。｣
編集長｢おはよう、猫宮ちゃん！久々ねぇ｣
｢お久しぶりです。長期休暇を頂いてしまって申し訳ございませんでした…。｣
編集長｢ま、仕事だから大丈夫よ！そこらへんはみんな分かってるし、安心して？｣
私はライブを控えていたために休暇を頂いていた。そして有難いことにライブ終了後もお休みを頂いていたのだ。本当にありがたい。
『猫宮さん！ライブ見ましたよー！！』
『さすが猫宮先輩って感じでしたね！』
後輩の子達は踊り手活動のことを知っていて、いつも応援してくれている。始めは恥ずかしかったけど、今はただ、応援してくれていることが嬉しい。
｢ありがとね！笑｣
『Aちゃんすごくキラキラしてたよねぇ』
｢先輩まで…！ありがとうございます…！｣
この職場は、私にとって支えになる人ばかりだ。踊り手の仕事についても理解してくれてるし。
編集長｢と、いうことで！猫宮ちゃん！早速この編集をお願いしてもいいかしら？｣
そう言って編集長が差し出した資料は、恋愛に関する資料だった。そこには男女間の違いなどが丁寧にまとめられている。
編集長｢今回は少し珍しいタイプのやつだけど、ぜひ猫宮ちゃんに任せたくてね！｣
編集長には、私の編集が気に入られているらしい。私はその期待に応えるために資料を受け取った。
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作者名：まい | 作成日時：2020年12月12日 19時
