どこか儚げていて、哀しくて ページ15
｢あ、いや！無理にとは言わないですけど…！｣
キ｢いやむしろいいの？｣
｢はい！なんか楽しいなぁって、思って…笑｣
俺は彼女の言葉に甘える事にした。しゃるとちゃんの
手料理が食べられるだって？俺死んじゃうかも。
｢ハンバーグとかでいいですか？｣
キ｢しゃるとちゃんの作ってくれるものなら！｣
あまりにも勢いが良かったからなのか、一瞬驚いた
顔を浮かべたけどすぐに笑顔に戻った。
｢じゃあ気合い入れないと！頑張ります！笑｣
そう言ってしゃるとちゃんはキッチンへと向かった。
正直そばでその姿を見たい！！という欲もあって、
俺もしゃるとちゃんのあとを追った。
キ｢俺も手伝いたい、ダメかな？｣
｢…！…もちろんいいですよ｣
こうして俺としゃるとちゃんは、2人でハンバーグを
作ることになった。野菜はが苦手なことを把握して
くれているのか、野菜はみじん切りにしてくれた。
キ｢しゃるとちゃん、普段料理するの？｣
｢はい。よく作ってあげてましたよ、あとは自分自身
料理することが好きなので普段からします！｣
作ってあげていた。ということは、やはり男女間での
トラブルとかがあったのかもしれない。あのおばさん
が言っていたことはつまりその事だろうな。
｢キヨさんは？作ったりします？｣
キ｢俺は…あまりしないね。｣
｢でもなかなか男の人は自炊しないですよね。ほら、
彼女さんとかと同棲していれば彼女さんが作るし。｣
キ｢あぁ、確かにね。言われてみれば。｣
自分が意識している相手から恋愛話されると、少しは
考えてしまう。ガチ恋勢、だしな。
｢…さっきのおばさんが言ったこと。気になります？｣
キ｢…気になりは、してる。けど首突っ込まない方が
いいのかなって、思ってたけど…。｣
｢キヨさんは…本当に優しい方ですね。あの人とは、
全く違う。温かくて…甘い…笑｣
キ｢あの人…｣
｢何ででしょう。初対面のはずなのに、信じられる。
…いや、自分が信じたいって思っているだけかも。
自分でも驚くくらい、キヨさんは怖くないんです。｣
キヨさんは、ということは…しゃるとちゃんが示す
あの人の存在には恐怖を抱いていたのか…。
｢…ご飯の時、少しだけお話させてください。1人で
抱え込むのは…もう、辛いんです…笑｣
この時に浮かべたしゃるとちゃんの笑顔は、どこか
儚くて、今にでも消えてしまいそうな笑顔だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まい | 作成日時：2020年12月12日 19時
